●14日はNHKホールでヘルベルト・ブロムシュテット指揮NHK交響楽団。このプログラムは貴重。ベルワルドの交響曲第3番「風変わりな交響曲」とベルリオーズの幻想交響曲を組み合わせたベル・ベル・シンフォニープロ。ベルワルド、生で聴けるチャンスはめったにない。
●ベルワルドはスウェーデンの作曲家。「風変わりな交響曲」は1845年作曲で、初演されたのは1905年になってから。初演時に指揮を担った作曲家トゥール・アウリンが曲に手を加えていることから、今回はより作曲者の意図に沿ったブロムシュテット校訂版での演奏なんだとか。作曲年代からも察せられるように、大枠としてはメンデルスゾーンやシューマンなどロマン派作曲家の交響曲のスタイルを参照してはいるものの、型にはまらない独自性があって新鮮。第1楽章がインパクト大。雄大で田園的というか自然賛歌というか。全3楽章で第2楽章がアダージョ~スケルツォ~アダージョみたいな感じで、通常の交響曲の緩徐楽章とスケルツォ楽章を合体させたような構成になっている。こういった緩徐楽章とスケルツォ楽章の合体はラフマニノフの交響曲第3番とかフランクの交響曲にも見られるけど、ベルワルドのほうが先。もっと前の例はあるんだろうか。第3楽章は嵐のようなフィナーレで、力技のエンディングが印象的で、微妙にユーモラスな気も。珍しい曲を高水準の演奏で聴けて大満足。後半の「幻想交響曲」は極彩色の乱痴気騒ぎとは一線を画した、推進力にあふれる格調高いベルリオーズ。これも聴きごたえあり。
●ベルワルドの交響曲第3番、「風変わりな交響曲」っていうタイトルがすごい。「わたし、よく少し変わってるって言われるんですよねー」っていう自分語り系標題。原題の「サンギュリエール」って呼び名もよく使われているみたい。サンギュリエールは銘菓の名前とかにありそう。外はカリッ、中はふわっのサンギュリエール、みたいな。
April 17, 2018