●26日はサントリーホールでヘルベルト・ブロムシュテット指揮NHK交響楽団。プログラムはベートーヴェンの交響曲第8番と第7番。ブロムシュテットはついに90歳。さすがに以前に比べれば動作も緩やかになり足元に慎重さを感じさせるが、それでも驚異的な壮健さ。しかも音楽には生気と推進力がみなぎっている。純度の高いみずみずしいサウンドを満喫。第8番と第7番、どちらも第1楽章と第2楽章をほとんど続けて演奏して、第2楽章の後に間をおくのがおもしろい。あたかも両作品の相似性を強調するかのよう。ブロムシュテット指揮のベートーヴェンの第7番は以前、別のオーケストラでも聴いたはずなんだけど、そのとき感じたのは、決して中庸の美ではなく、特異な解釈も見られるということ。今回は記憶とはまた別の第7番になっていた感。いちばん特徴的だったのは第3楽章で、トリオからスケルツォに戻る直前の部分で極端にリタルダンドして、ほとんど止まりかけてから、スケルツォが勢いよく飛び出すという趣向。全般にストイックな熱狂とでも呼ぶべきベートーヴェン。
●第7番、終楽章が幕切れに近づくと、興奮や陶酔以上に、ああ、もう終わってしまうのか、残念だなーという気持ちがわき上がる。ブロムシュテット、次回は10月なので、すぐといえばすぐ。Bプロにステンハンマルの交響曲第2番がある。
April 27, 2018