June 19, 2018

グループG チュニジアvsイングランド 若返った「母国」 ワールドカップ2018

チュニジア●いま各国のリーグ戦でもっともレベルの高いのはおそらくイングランドのプレミアリーグ。スペインやドイツも最上位は強いんだけど、プレミアリーグは1部リーグ中位から下位でも資金力豊富なところが強み。なのに、ワールドカップとなるとイングランド代表を優勝候補に挙げる人はまずいない。プレミアのスターは外国人ばかりということだろうか。でも、今大会の「サッカーの母国」は期待できるかもしれない。サウスゲイト監督のもと、すっかり世代交代を進めて、前回から残っているのは5人のみ。選手の所属クラブはそうそうたるもの。ハリー・ケインやスターリングなど前線にスターもいるが、むしろチーム全体としてはタフな選手が多い印象。今大会では珍しい3バックのチーム。シンプルで力強い攻撃が信条か。一方、チュニジアはアフリカ勢としては国内組が多い。次いでフランス組。プレイスタイルはかなりヨーロッパ的。というか、近年、アフリカのなかでも北アフリカ勢が優勢で、その多くはプレイスタイル的にも選手の出自や所属クラブ的な意味でも、かなり「ヨーロッパB」化している感。ヨーロッパの代表チームもどんどん才能豊かなアフリカ系の選手を取り入れている以上、アフリカ勢ならではの「驚異の身体能力」なんていうのは昔話で、チュニジアのように組織的な守備を鍛えないと大陸予選を勝ち抜くのは難しい時代なのかも。
●で、チュニジアvsイングランド。前半11分にコーナーキックからキーパーが弾いたボールをハリー・ケインが決めてあっさりと先制。ワンサイドゲームの予感もあったが、35分にやや幸運なPKをもらって(ビデオ判定はなし)、サシが決めて同点。イングランドはなんどか決定機が作り出したが決めきれず。次第にチュニジアが自信を回復したかのように、ボールをつなぎ出す。特に後半は後ろからでも恐れることなくボールをつなぎ、なおかつ前から相手にプレッシャーをかけて、試合の主導権を握ろうとしていた。フォーメーションも相手に応じて柔軟に変化させ、つぶし合いの多い膠着状態に。こうなるとイングランドの攻撃はクリエイティビティに乏しい。引分けがふさわしい試合だろうと思ったが、後半46分、またしてもコーナーキックから中でマグワイアがボールをすらして、ファーサイドでフリーのケインが頭で2点目。イングランドが辛勝。結局どちらもコーナーキックからのケインのゴールだった。
●このグループ、もう一方のベルギー対パナマは順当にベルギーが勝利。チュニジアは志の高いチームだったが、前評判通りにイングランドとベルギーが勝ち抜く無風区となってしまうのだろうか。

チュニジア 1-2 イングランド
娯楽度 ★★
伝説度 ★

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