June 21, 2018

グループB イランvsスペイン 幸運の女神 ワールドカップ2018

イラン●各グループ2試合目に入る。イラン対スペイン、力の差は明らかかもしれないが、この時点ではイランが勝点3、スペインが勝点1。イランは引分けでも悪くはないのに対し、スペインは引分けると一気に苦しくなる状況。イランのケイロス監督は当然のごとく、堅固な守備ブロックを敷いて全員で守るという戦い方を選択。これは正しい選択だったと思う。アジアでは驚異的なディフェンス力を誇ったイランの鉄壁の守備は、スペイン相手にも十分に通用した。膠着状態が続き、前半はスコアレス。注目すべきはイランはただサンドバッグになって耐えたわけではなく、スペインにボールを持たせても決定機は作らせない守備に成功していたということ。前半にスペインの枠内シュートは1本しかなかったと思う。イラン、狙い通りの展開。
●後半8分、イランはロングスローからのこぼれ球にアンサリファルドがシュート。一瞬、入ったかと思ったのだが、サイドネットだった。惜しい。これはもしや……と思った、その直後、後半9分のスペイン、前線のジエゴ・コスタが縦パスを巧みにトラップして前を向いたところで、イランのレザイーアンがタックル、蹴ったボールがジエゴ・コスタに跳ね返ってこれがきれいなゴールになってしまう。不運としかいいようがない。ほとんどオウンゴールだが最後にジエゴ・コスタに当たっているのでジエゴ・コスタのゴール。ずっとボールを回して意図をもった攻撃でチャンスを作れなかったスペインが、こんな形でゴールをプレゼントしてもらえるとは。トホホ。
●先制された後のイランは前に出る。ここからはお互いに攻め合うスリリングな展開に。後半17分、イランはフリーキックからエザトラヒが豪快なゴール。これで同点と思われたが、主審はビデオ判定(VAR)を待つ。そしてオフサイドでゴールは取り消されてしまった。スローで見るとなるほどわずかにオフサイドかもしれないのだが……。このビデオ判定、これ自体を適用するかどうかで恣意的な判断が紛れ込む余地はないのだろうか。その後、後半37分、イランのアミリが相手陣内深くでピケの股抜きに成功してクロス、中で合わせるも惜しくもゴールならず。決まっていれば伝説のプレイになりえたが。
●終盤、スペインは巧みにボールを回して、1点を守り切って勝利。しかしこれは薄氷の勝利というべきだろう。1試合中、枠内シュートは3本のみで、しかもゴールに入った1本は偶発的なものだった。あと、前半にあった場面なんだけど、イランのゴールキーパー、ベイランバンドがボールを持っているときに、そばを通ったジエゴ・コスタの足が一瞬つま先をかすっただけで、ボールを外に投げ出しながら、顔をしかめて倒れ込んだ。はいはい、それね、ワタシらはよく知ってる。主審はそんな三文芝居をまるっきり相手にしない。ジエゴ・コスタは苛ついた表情を見せていたので、なんらかの効果はあったかもしれないが、もう中東勢はこんな戦い方を止めるべき。普通に戦って、スペインと五分で渡りあえていたじゃないの。

イラン 0-1 スペイン
娯楽度 ★★★
伝説度 ★★

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