June 25, 2018

グループH ニッポンvsセネガル 捕らぬ狸の皮算用 ワールドカップ2018

ニッポン!●ニッポンとセネガル、ともに前の試合を勝利して臨む第2戦。セネガルは監督が2002年日韓大会に出場していたシセ。そのときも「もうひとつのフランス」のように言われたが、今回もクリバリやニアンのように若いカテゴリーでフランス代表経験のある選手や、フランスのクラブでキャリアをスタートさせてビッグクラブへと飛躍した選手が多数。エースのリヴァプールのマネは、サウサンプトン時代に吉田の同僚。フォワードのニアンはミラン時代に本田の同僚だった。ニッポンはコロンビア戦とまったく同じ先発メンバー。GK:川島-DF:酒井宏樹、昌子、吉田、長友-MF:柴崎、長谷部-原口(→岡崎)、香川(→本田)、乾(→宇佐美)-FW:大迫。
●序盤からセネガルは圧倒的な個の能力で攻めてくる。すさまじいスピード。おまけにパスのスピードも速くてダイナミック。マネなどの能力の高さを見ていると、まるで別のスポーツのよう。ニッポンが後方から組み立てる際にも、少しでも球離れが悪かったりパスのスピードが遅かったりすると、あっという間にボールを奪われてしまうそうなプレッシャーなのだが、これを落ち着いて交わすニッポンの技術の高さに感心。しかし前半11分、セネガルのクロスボールに対して原口がコーナーキックを与えまいとバックヘッドでそらすが、このクリアが小さすぎてサバリに拾われてシュート、これを川島がパンチングで弾いたところ目の前にいたマネに当たって、リフレクトしたボールがゴールへ。半分オウンゴールみたいな居心地の悪い失点を喫してしまった。
●この1点で崩れてしまうのが代表のありがちなパターンなのだが、ここで浮足立つことのないのが今のニッポン。前の試合に続いて、大迫のポストプレイの成功率が高く、長谷部か柴崎が下がってきて後方から組み立てるスタイルが効果的。前半34分、後方の柴崎から飛び出した長友にロングパスを供給、これを受けた長友が中に切れ込み乾とスイッチ、乾は右サイドからファーサイドのポスト付近に巻いて入る得意の形でシュートを決めて同点。この角度からのシュートは後半にもう一度あったがバーを叩いた。
●後半26分、セネガルは左サイドから個人技で崩して、グランダーのクロスを右サイドへ。ここで乾のマークが遅れてワゲがフリーでシュートを決めて、ふたたびセネガルがリード。乾はその前にもボールを奪われて覚悟のファウルからイエローをもらう場面があって、このサイドは攻めると強いが、守ると厳しい。ニッポンは香川を本田に、続いて原口を岡崎に交代。右サイドに本田が入って、大迫と岡崎の2トップになる形に。後半33分、大迫が右から入れたクロスに、岡崎と相手キーパーが競り合い、これがファーの乾にこぼれてダイレクトで折り返したところで本田がフリーで冷静にシュート。2対2の同点に。セネガルは2失点ともキーパーにやや問題を感じる形(人のことは言えないわけだが)。最後までお互いに攻め合ったが、このままドローに。互いに1勝1分になった。
●ニッポンはハイボールの競り合いにも意外と負けていないのが印象的。ここまではセントラルミッドフィルダーに展開力とキープ力のある長谷部と柴崎を並べる形がとてもうまく行っていて、特に柴崎は視野の広い長いボールを出せるのがいい。攻撃的な布陣を敷いて、結果的に得点も失点も多いゲームになっている。右サイドバック酒井のパワーは貴重。吉田と昌子もタフ。本田は2試合ともあまりコンディションがよいとは思えないのだが、結果が付いてきている。
●さて、もう一方の試合だが、ポーランド0-3コロンビアで大差がついてしまった。これでランクでは最強位のポーランドが敗退決定。次にニッポンはポーランドに勝つか引分ければ決勝トーナメント進出が決定するが、複雑なのは負けた場合。もし負けた場合でも、セネガル対コロンビアの結果が、セネガルの勝利ならニッポンは2位通過、コロンビアの勝利ならニッポンとセネガルの得失点差勝負、引分けならコロンビアとの得失点差でニッポン敗退(で、合ってるかな?)。次戦は中三日しかないので、コンディションを優先して選手を入れ替えるか、うまく行っているチームは変えないの原則に従うのかが、悩みどころ。選手を変えて敗退すれば監督批判は必至だが、その先、3戦目からラウンド16までは、1位通過なら中四日、2位通過なら中三日。西野監督はどう判断するだろうか。

ニッポン 2-2 セネガル
娯楽度 ★★★★★
伝説度 ★★★★

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