●さて、いよいよ決勝トーナメントに入ったワールドカップだが、その前にグループリーグについて一言。先日のニッポンvsポーランド戦の終盤の「パス回し」が議論を呼んでいるが、あの件については「残り10分でセネガルが得点しない」ことに賭けたことが自分は信じられないと思った。せめて西野監督が何に賭けたのかを確認しようと思い、コロンビアvsセネガル戦の、コロンビアがゴールして以降を録画で確認してみた。失点直後、もはや攻めるしかないセネガルはダイナミックな攻撃で立て続けにコロンビアのゴールを襲った。その後、時間がなくなると捨て身のパワープレイを仕掛けた。フォーメーションもなにもないパワープレイなので、選手間の距離は開き、最後の数分はセネガルにもコロンビアにもゴールが生まれやすい状況になった。しかし、そのままで終わった。西野監督は後で録画でこの場面を見てどう感じたのか、知りたいものである。ワタシだったら血の気が引く。
●さて、ラウンド16。グループリーグが終わった時点で、自分の決勝の予想はフランス対クロアチア、願望はメキシコvsコロンビアだ。で、いきなりフランス対アルゼンチンがラウンド16で実現。トーナメントのこちらの山に強豪が偏った感がある。とはいえ、アルゼンチンはもはやチームはバラバラで、メッシ頼みももう限界の様子。この試合ではアグエロもイグアインもベンチに置かれて、3トップの中央にメッシ、左にディ・マリア、右にパボン。一部報道によるとサンパオリ監督は前の試合から実質指揮権を剥奪されて、メッシとマスチェラーノで先発メンバーを決めているんだとか。そんなバカなことはないだろうとは思うが、チームが迷走している様子はわかる。
●で、試合が始まってみると、これがスーパーゴールの連発で、今までとはまったく違うステージに入ったことを宣言する派手な打ち上げ花火のような試合に。前半11分、フランスのエムバペが爆発的なスピードでマスチェラーノを置き去りにして、ペナルティエリア内に突進、これをロホが倒してPK。決めたのはグリーズマン。その後、アルゼンチンがディ・マリアの超絶ミドルシュートで追いつき、後半にはメッシのシュートにメルカドが足で触って(あるいは当たって?)コースが変わって逆転、今度はフランスのパバールが技巧的かつパワフルなスーパーボレーをゴールに突き刺して同点、そこからエムバペが立て続けに2ゴールを奪い、終了直前にアグエロが1点を返す。ゴールラッシュで4対3でフランスが勝利した。内容的にはフランスが一枚も二枚も上手だが、アルゼンチンは個の能力で面目を保ったといったところ。むしろこんなエキサイティングな試合で終わって、救われた面もあるんじゃないだろか。
●メッシからエムバペへとスーパースターの座が移ったかのような印象すらある。まだ19歳。メッシでもクリスチャーノ・ロナウドでもネイマールでもない、新たなスターをみんなが待望している。
フランス 4-3 アルゼンチン
娯楽度 ★★★★
伝説度 ★★