●サウスゲート監督率いる若返ったイングランド代表はこの大会で3バックを採用する数少ないチーム。ハードワークする規律のあるチームという印象だ。エースのハリー・ケインは好調。グループリーグ3戦目で選手を入れ替えるターンオーバー策をとり、コンディションも万全か。一方、コロンビアのエース、ハメス・ロドリゲスはケガで欠場。会場は例によってコロンビアのサポーターでいっぱいに。ロシアは南米から近く、ヨーロッパからは遠いという不思議。
●前半はタイトな戦いでチャンスがほとんど生まれない。後半、ケインが競り合いのなかで倒れてPK。主審は目の前で見ていたが、少し厳しすぎる判定では。コロンビアは激しく抗議。とはいえVARの「物言い」も付かず、ケインが自ら決めて先制ゴール。ここから選手が熱くなって、ラフなプレイが目立ち始める。アディショナルタイムに入るとコロンビアはパワープレイへ。そこから得たコーナーキックで長身のミナが頭で決めて劇的同点ゴールが生まれた。つまらないPKで試合が決まらなくてよかった。
●延長に入るとNHK地上波のサブチャンネル012に放送が移り、ぐっと画質が落ちてしまう。データ圧縮率高すぎ。画質に呼応するかのように運動量もプレイの質も落ち、最後は消耗戦に。イングランドのプレイぶりは堅実だが、流れを変えるようなアイディアが乏しい。途中交代で元気なヴァーディやラッシュフォードをもっと活用したいところ。こうなると期待できそうなのはセットプレイで、延長後半にコーナーキックからダイアーがフリーでヘディングする絶好機があったが、枠をとらえられず。
●120分では決着つかずPK戦へ。先攻はコロンビア。統計的には有利だ。コロンビアのオスピナ、イングランドのピックフォード、ともにファインセーブが一本ずつあったが、コロンビアがひとりバーを叩いて外した差で、イングランドが8強進出。む、またまた不利な後攻が勝ってしまった。もっともイングランドはPK戦も見すえて代表合宿からPK戦の練習を取り入れ、心理学者までスタッフに入れていたのだとか。これもイングランドがずっとPK戦に負け続けているというジンクスがあったからこそ、新監督は対策を打ち出したわけだ。監督の策が実ったのか、単に後攻勝率40%の目が出ただけなのかは、だれにもわからない。
コロンビア 1(PK3-4)1 イングランド
娯楽度 ★
伝説度 ★★