July 7, 2018

準々決勝 ウルグアイvsフランス、ブラジルvsベルギー ここから先は欧州選手権 ワールドカップ2018

●さて、中二日の休みをはさんで、ワールドカップは準々決勝へ。おおむねワールドカップは終盤に進むにつれて地味な試合が増える傾向にある。攻撃的でオープンな試合が多かった今大会だが、ここからはどうなるだろうか。
ウルグアイ●まずはウルグアイ対フランス。ウルグアイはスアレスと並ぶ二枚看板のカバーニをけがで欠く。フランスは19歳のスピードスター、エムバペが大会最大のスターになりそうな勢い(なにしろメッシもクリスチャーノ・ロナウドももういない)。キックオフからハイテンションな戦いで、走る速度もパスの速度も強烈。エムバペは加速がすごい。ただ、その速さを有効に使えないムダなプレイも目に付く。攻めるフランスとカウンターで対抗するウルグアイという展開で、40分、フランスはグリーズマンのフリーキックにヴァランが頭で合わせて先制ゴール。
●後半16分、グリーズマンは遠目の位置からぶれ球のミドルシュート。これをウルグアイのキーパー、ムスレラがほぼ正面で受けながら後方にボールを弾いてゴールへ。苦悶の表情を浮かべるムスレラ。今大会、キーパーの受難が目立つのだが、使用ボールの影響もあるのだろうか。グリーズマンはニコリともしない。これで2点のリード。ここから試合が荒れだした。ウルグアイは好チームなのだが、全般に汚いプレイが多いのが惜しい。マッチョであることとフェアーであることは両立できないものか。ラフプレイに頼るとゲームはそこまで。フランスは残り時間を慎重に使って、ゲームを終わらせた。依然、優勝候補の筆頭という印象だ。
ブラジル●もう一試合、ブラジル対ベルギー。こちらはニッポンが2点差をひっくり返されなければベルギーに代わってここにいたのだが、という複雑な思いで観戦。ブラジルはFIFAの規定による短縮版国歌の録音を無視して、曲が終わってもアカペラで延々と最後まで客席と選手が一体となって歌い続ける(結局今大会でも前回に続いてこうなった。短縮版の規定は南米の国歌へのリスペクトを欠いている)。ベルギーはニッポン戦で途中出場したフェライニとシャドリを先発させ、メルテンスとカラスコの攻撃的な選手をベンチに置いた。デブライネのポジションは一列前へ。ニッポン戦でのよい流れを引き継ぎつつ、ブラジルの攻撃力を警戒した布陣。
●前半13分、あっけなくベルギーの先制点が生まれる。コーナーキックで、クリアしようとしたフェルナンジーニョの肩にボールが当たってそのままゴールに吸い込まれるオウンゴール。ベルギーは自信を持ってブラジルに渡りあう互角の展開。ブラジルの攻撃力はたしかに驚異的なのだが、ベルギーはデブライネ、アザール、ルカクらの突出した個の能力に平均188cmにもなろうという高さが加わるのが強み。ルカクはEURO2016で見たときは、たしかに強い選手だけどオフ・ザ・ボールの動きが物足りないなと思っていたのだが、今や完璧なセンターフォワード。前半31分、デブライネがマルセロを交わして低い弾道のスーパーミドルを放って、ベルギー2点目。
●ブラジルはこの試合でもネイマールがたびたび倒れるのだが、ベルギーのプレイぶりはニッポン戦と同様にフェアー。ネイマールがレフェリーとその向こうのVARとの駆け引きをすればするほど、彼からスーパースターのオーラが消えてゆく。後半31分になって、ようやくブラジルにゴール。コウチーニョの浮き球のクロスにレナト・アウグストが頭で合わせた。そこからブラジルの猛攻が始まったが、コウチーニョは決定機に外し、ネイマールのシュートはクルトワのファインセーブに阻まれ、試合終了。1対2でベルギーが試合内容にふさわしい勝利を収めた。
●準々決勝一日目でウルグアイとブラジルの南米勢が敗退して、残る6か国はすべて欧州勢になった。おおむねどの大会でも欧州開催時は欧州勢が強く、その他の地域では南米勢が健闘するという傾向があるのだが、どうやらロシアも欧州にはちがいないようだ。会場の雰囲気はむしろ中南米だったのだが……。あの熱心なサポーターたちが帰国してしまった後はどうなるんだろう。

ウルグアイ 0-2 フランス
娯楽度 ★★★
伝説度 ★

ブラジル 1-2 ベルギー
娯楽度 ★★★
伝説度 ★★

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