●いよいよ準決勝。フランス、ベルギー、イングランド、クロアチア。すべてのチームに優勝の資格があると納得できる4強がそろった。フランス対ベルギーはどちらも欧州ビッグクラブに所属する選手たちをずらりとそろえる。なので、必然的にチームメイト対決も増える。ベルギーのフェライニとルカク、フランスのポグバはマンチェスター・ユナイテッドの同僚。ベルギーのクルトワとフランスのカンテとジルーはチェルシーの同僚といったように。マンチェスター・シティやトッテナム所属の選手たちも含めて、プレミアリーグ色の強い対決に。
●前半からベルギーが攻めて、フランスが守るという展開。前半15分にやっと最初のシュートがあって、アザールの惜しいチャンス。アザールはキレキレ。前半21分、コーナーキックからベルギーのアルデルワイレルトがシュート、しかしロリスがスーパーセーブ。ロリス、クルトワ、ともにキーパーがすばらしい。ゴールが生まれたのは後半6分。フランスのコーナーキックでニアに飛び込んだウムティティが頭ですらしてゴール。ウムティティは194センチのフェライニに競り勝った。183センチのウムティティが小さく見える。
●コーナーキックから頭で決めた1点で試合が決まってしまうとおもしろくないな……と思っていたのだが、後半17分あたりからフランスは逃げ切り体制に入る。堅守速攻の構え。ベルギーはメルテンス、カラスコといった攻撃の選手を途中から投入して突破口を探す(フェライニを下げてカラスコを入れるというパワープレイに頼らない宣言)。デブライネを中盤に下げて攻撃の起点となり、アザールやルカクが攻めるのだが、攻めきれずにフランスにボールを奪われるとエムバペの高速カウンターが待っている。フランスは堅実に守って、試合を終わらせた。試合終了後にベルギーのクルトワはフランスの守備戦術を非難し、アザールに至っては「あんなフランス代表の一員として勝つくらいならベルギー代表の一員として負けた方がいい」とまで言い放っている。まあ、こういうのを負け惜しみというわけだが。
●なるほど、ニッポンにできなかったのはこれかー。ニッポンは最後まで攻めようとして大逆転されたわけだが、臆面もなく守っていれば2点リードを守った末に、こんなふうに悪口を言われたかもしれない。負けて褒めたたえられるよりも、そっちがよかったなとは思う。
●フランスは自国開催の1998年大会に優勝している。そのときにシラク大統領からワールドカップを手渡されたキャプテンが、現監督のデシャン。あとひとつ勝てば、監督としてふたたびワールドカップを手にすることになる。カッコよすぎでは。
フランス 1-0 ベルギー
娯楽度 ★★
伝説度 ★