●ワールドカップが終わって、祭りの後の寂しさ。今大会については総括としてあと一回書くつもりだが、その前にコンサートの振り返りを。
●13日はミューザ川崎でトン・コープマンのパイプオルガン・リサイタル。前後半で違った趣きのプログラムを楽しめた。前半はバラエティ豊か。ケルルの「バッターリア」で幕を開け、カバニリェスのイタリア風コレンテ、ブクステフーデのプレリューディウム 二長調、わが愛する神に、フーガ ハ長調BuxWV174、クープラン「修道院のためのミサ曲」より「奉納唱」「聖体奉挙」、C.P.E.バッハのソナタ 二長調Wq70-5、バッハの小フーガ ト短調。C.P.E.バッハの気まぐれすぎる感情表現が吉。おなじみ小フーガ ト短調はまるで前半のアンコールみたい。
●後半はほぼ「オルガン・ミサ」ハイライト。クラヴィーア練習曲集第3部の冒頭とおしまいに置かれた前奏曲とフーガ 変ホ長調BWV552の間に、「おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」BWV622、「永遠の父なる神よ」BWV669、「世の人すべての慰めなるキリスト」BWV670、「聖霊なる神よ」BWV671が挟まれるという構成。このプログラムなら拍手を入れずに一気に弾くのかなと思いきや、途中でなんども椅子から立ち上がり、拍手を受けてから袖に下がっていた。前のめり気味というか豪放磊落というか、エネルギッシュなバッハを堪能。アンコールにバッハ「われ汝に呼ばれる、主イエス・キリストよ」、スカルラッティのソナタ ト長調、ジョン・スタンリーのヴォランタリー。
●ミューザ川崎ではまもなくフェスタサマーミューザが今年も開幕。どーんと大きく掲出されているポスターが涼しげ。「奏soクール」だし。
July 18, 2018