●2日、昨晩の「ペレアスとメリザンド」に続いて、また東京オペラシティへ。バッハ・コレギウム・ジャパン主催による鈴木雅明のバッハのクラフィーア(クラヴィーア)練習曲集第3巻、通称ドイツ・オルガン・ミサ。鈴木雅明のオルガン独奏に加えて、各コラール・プレリュードの前に鈴木優人指揮バッハ・コレギウム・ジャパンの合唱による同旋律のコラールが配置されるという拡大版。休憩をはさんで2時間超の大作に。満ち足りた濃密な時間を過ごす。
●オペラシティのオルガンをこれだけまとまって聴いたのは久々。重厚できらびやかな音色を堪能。強奏時にホール内の反射音を体感できる空間性はこの楽器ならでは。前奏曲とフーガ変ホ長調BWV552の前奏曲を冒頭に置き、フーガを最後に配置したドラマティックな枠組みのなかで、変化に富み、次々と多様なキャラクターをまとうバッハの音楽を堪能する。合唱でコラールを先に歌ってもらえる親切設計がありがたい。前から順番に全曲を聴き進めていくと、おしまいに4つのデュエットがつながってガラッと雰囲気が変わるのが少し不思議な感じ。最後のフーガはひたすらカッコよく、旅から帰ってきたみたいな気分。「ゴルトベルク変奏曲」でアリアが戻ってくるのと似たような感情がわく。
August 3, 2018