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August 29, 2018

イエデンをリプレイスするアナクロ大作戦

●何年前のことだったか、FAX電話機が不調になったとき、もうFAXなんてだれも使ってないことに気づいた。これを修理する意味はないし、売り場を見ても新機種なんてほとんど出てない。そうだ、名刺からもFAX番号を削ろう。それでなんの問題もなかった。実はいまだに記者会見の出欠などでFAXでの返信を求められるケースもあるのだが(なぜか案内はメールで届いてたりする)、そういう場合はbiglobeのFAX配信サービスで送信している。この種のサービスも風前の灯火といった感はあるが、かろうじて生き残っている。
●で、FAX機能は無用の長物となったものの、まだ同じ機械をしつこく電話機として使い続けていたところ、ついに液晶表示画面が映らなくなって寿命を迎えることに。そこで単機能の電話機を買おうと思い調べてみると、選択肢があまりない。もう固定電話機というジャンルが細っている。
固定電話の保有率について統計を見ると、30代の保有率は29%、20代は5%しかない(2017年時点)。親の世代は固定電話を持っていたとしても、子が大人になって世帯主になったときに、わざわざイエデンを導入しようとは思わないということか。そんなわけで、今売っている電話機の主流は高齢者向けを意識した機能が売り。迷惑電話防止機能は必須。たとえばかかってきた電話に対して「この電話は迷惑電話防止のために録音されます」とアナウンスしてくれたり、あらかじめ電話機が相手に「お名前を教えてください」と尋ねてくれるとか、電話の呼び出し音の合間に「迷惑電話にご注意ください」と発声してくれたりとか、そんなディフェンシブ親切機能が満載。0120で始まる電話番号は着信拒否に設定できる(これは便利そう)。一言でいえば、「詐欺的な電話に引っかかりそうな老親のために子供世帯が選んでくれそうな機種」を目指してる感じ。いやー、そうじゃなくて、もっとカッコいい感じの電話がほしいと思って調べてみても、そんなに数はないし、あってもどこか基本機能の面で不満がありそうな機種ばかり。それだけ市場が小さいってことか。
●仕事上、固定電話はまだ必要なので、割り切って迷惑電話対策の充実したその手の電話機を導入した。使い勝手はいい。画面表示の字が大きくて吉。記念すべき着信第一号はセールスの迷惑電話だった。ま、そうなるよなあ。