September 14, 2018

山田和樹指揮東京混声合唱団 第247回定期演奏会

●13日は第一生命ホールで山田和樹指揮東京混声合唱団。プログラムが魅力的。エフゲニー・スヴェトラーノフの「アレクサンドル ユルロフの思い出に ~無伴奏混声合唱のための後奏曲~」、藤倉大の「さわさわ 混声合唱とマリンバのために」(共同委嘱作品/日本初演)、ラフマニノフの「晩祷」。
●スヴェトラーノフというのは、あの指揮の大巨匠のスヴェトラーノフ。親しい友人であったソ連の合唱指揮者ユルロフへの追悼曲。情感豊かで、聖歌風でもあり、民謡風でもあり。藤倉大の「さわさわ」は同じく東京混声合唱団のために書かれた「ざわざわ」の続編なんだとか。ただし、今作ではマリンバ(塚越慎子)が加わる。合唱とマリンバという、まったく溶け合わない音色の組合せによる交感がおもしろい。感触的には「さわさわ」というか、「ぞわぞわ」かな。ラフマニノフの「晩祷」は初めて実演で聴けた。全15曲からなる1時間近くの大曲だが、長さを感じさせない濃密さ。ゲストにオクタビストという超低音を歌う鈴木雪夫さんを招いて深々とした響きを実現。すごいロシア感。祈りの音楽だけど土の香りが漂ってくる。「言葉もわからない異教の祈りの音楽」を聴くという意味で、先日のバッハのロ短調ミサと同じ体験をしているのだと気づく。

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