October 2, 2018

METライブビューイングの新シーズンなど、オペラの話題

●オペラ関係の話題をいくつか。
●まず、以前当欄でもご紹介した新国立劇場の「大野和士のオペラ玉手箱 with Singers Vol.1 魔笛」だが、動画がインターネットで公開されている! これはありがたい。ダイジェスト版ということだが1時間もある。当日、行けなかった人に朗報。とてもためになるトーク。
METライブビューイングの新シーズンのラインナップが発表されている。11月2日に開幕して、ワンシーズンに10作品を全国19の映画館で公開。で、原則として各作品の上映期間は一週間なのだが、今シーズンから金曜スタート、木曜終わりのパターンになる(従来は土曜スタート)。昼間の上映を見る人にとってはあまり影響がないかもしれないが、夜の上映を見る人にとっては要注意かも。
ニコ・ミューリーの「マーニー」
●で、ラインナップだが、新演出はサン=サーンスの「サムソンとデリラ」、ニコ・ミューリーの「マーニー」(写真)、ヴェルディ「椿姫」、チレア「アドリアーナ・ルクヴルール」の4つ。「サムソンとデリラ」はダルコ・トレズニヤック演出で、ガランチャとアラーニャの二大スターが登場。写真を見た限りではオーソドックスな舞台設定の模様。「マーニー」はヒッチコックの同名映画と同じウィンストン・グレアムの原作にもとづく心理サスペンスで、マイケル・メイヤーが演出、ロバート・スパーノが指揮。で、作曲のニコ・ミューリーってだれ?ってなりがちだと思うが、ニコ・マーリーの表記でも通っている人で、1981年生まれ。録音多数あり。「椿姫」はマイケル・メイヤー演出で、ディアナ・ダムラウ、フアン・ディエゴ・フローレス、ネゼ=セガン指揮の豪華仕様。本来19世紀の話を、18世紀に置き換えるという演出で、わざわざ過去に設定するのが珍しい感じ。どういう意図なんだろう。「アドリアーナ・ルクヴルール」はデイヴィッド・マクヴィカー演出でネトレプコが主演。指揮はジャナンドレア・ノセダ。
●全体としては「マーニー」以外はオーソドックスな路線で、METならではのスター歌手たちが次々と登場する豪華プロダクションが並んだという印象。新演出以外も「アイーダ」のネトレプコ、「西部の娘」のカウフマンなど華やか。

PHOTO © Vincent Peters/Metropolitan Opera

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