●5日は東京オペラシティで「アジアオーケストラウィーク2018」の群馬交響楽団公演。指揮は音楽監督の大友直人。毎年、アジア太平洋地域からさまざまなオーケストラを招くアジアオーケストラウィーク、今年は群響、フィリピン・フィル、中国の杭州フィルの3団体が参加。今年は日程的に群響のこの公演しか足を運べず、海外勢を聴けなかったのが残念なのだが、視野を広げてくれる貴重なシリーズ。群響が東京で「ホスト・オーケストラ」役と呼ばれる機会もなかなかない。
●プログラムは前半にモーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」、チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」、後半にシベリウスの交響曲第2番。バラエティに富んだ選曲だが、前半は婚礼つながりの2曲ということか。しっかりと準備されたていねいな演奏という印象で、弦楽器の温かく深みのある音色が魅力。このホールでの演奏としては、全体に筆圧が強めか。アンコールにグリーグ「ホルベアの時代から」の前奏曲。
●音楽は決して勝負事ではないのだが、このシリーズはまるでアジア・チャンピオンズリーグみたいだなと感じる(サッカーの)。潤沢な資金を生かしてすぐれたプレーヤーを集める中国勢、近年伸長著しい東南アジア勢、欧州色にアジア色も混ざり多様なプレイスタイルが混在する豪州勢……。ほら、どっちの話をしているのかわからない。
October 9, 2018