●さて、森保ジャパンは先日のパナマ戦に続いてウルグアイ代表と埼玉スタジアムで対戦。今度は世界5位の強豪。スアレスはいないものの、カバーニをはじめそうそうたるメンバーがそろっている。ニッポンがそうであるように、ウルグアイにしてもUEFAネーションズリーグの発足に伴いヨーロッパの代表との対戦が困難になっており、韓国とニッポンと戦う「アジア・ツアー」に出向いた。そして韓国に敗れてしまった後、このニッポン戦を迎えた。
●で、ニッポンのメンバーだが、予想通り、パナマ戦と大きく変わり、Aチームと思われるチームが組まれた。ほぼこれが現時点の森保ジャパンの基本メンバーか。布陣は4-2-3-1。GK:東口-DF:酒井宏樹、吉田、三浦弦太、長友-MF:遠藤航、柴崎(→青山)-堂安、南野、中島(→原口)-FW:大迫。攻撃陣の堂安、南野、中島が小柄な選手ばかりなのが気になっていたが、こうして酒井と吉田のような屈強な選手が入ると、チーム全体の骨格がぐっとたくましくなる。結局、ディフェンスラインは三浦以外はワールドカップ・メンバーが戻って来た。一方、攻撃陣は大迫以外は一気にモデルチェンジ。アジアカップは来年1月に開催されるということで、欧州リーグのシーズン中に選手が所属チームを離脱しなければいけないという問題があり、それを考えても、よりメジャーなリーグへと移籍を望む選手たち、つまりオランダ、オーストリア、ポルトガルという「育成感」のあるリーグでプレイする選手がアジアカップに挑むのは納得のゆく話。
●で、試合は大味な展開になって、なんと、ニッポンが4対3で勝利することに。ニッポンの攻撃はスペクタクルそのもの。そうそう見ることのできないクォリティの高い攻撃で、いくらホームとはいえウルグアイ相手にこんなことができてしまうということに驚くほかない。1点目、中島からの高速パスを受けた南野がすばやいターンからシュート。なんという精密さ。大迫はますますポストプレイに磨きがかかっている。でも前を向いたときの迫力が足りないのだな……と思っていたら、中島のシュートをキーパーが弾いたところに大迫がつめてゴール。後半、堂安の代表初ゴールは完璧。堂安自身のパスカットから酒井とのコンビネーションで相手を交わして落ち着いてゴールに流し込む。4点目は相手のミスからだが、堂安のシュートをキーパーが弾いたところに南野が叩きつけてゴール。
●とまあ、華麗な攻撃を堪能したのだが、一方で3失点する脆さも既視感たっぷり。特に2失点目、三浦がカバーニに気づかずバックパスをする大チョンボには頭を抱えるしか。これもニッポン代表らしいというか。監督も攻撃陣もがらっと変わったけど、試合そのものはワールドカップのベルギー戦のコピーみたいにも見える。オープンな戦いで目を見張るようなゴールを決めるけど、あっさりと失点して、2点くらいのリードはいつひっくり返されてもおかしくないイメージ。結果的に勝てたのは幸い。ウルグアイも公式戦なら武闘派ぶりを発揮しただろうけど、アウェイの親善試合ならベルギーみたいに戦ってくれるということか。でも、韓国とニッポン相手に連敗して、しかも大量失点したというのは不本意だろう。
●打ち上げ花火のような試合の陰で、柴崎が本調子に遠そうなのは気になるところ。
October 18, 2018