●6日はミューザ川崎の市民交流室でジョナサン・ノット&東京交響楽団 Season 6 2019/20年シーズン・ラインナップ記者会見。もうSeason 6なのか、と、まずは軽い驚き。本題に入る前に、先日の東京と新潟でのラフマニノフの交響曲第2番の演奏についての話題が出た。大野楽団長「いつまでも終わってほしくないと思うような稀有な演奏会。奏者からも同様の声が聞こえた。ノットは魔法使い」。これを受けて、ノット「6年前、最初の会見で言ったように、これは旅。私たちにはこの旅路についてきてくれる聴衆がいる。終演後に感動を伝えてくれる人々と出会うごとに、この旅でしたかったことがここにあるのだと感じている」。
●で、2019/20年シーズン・ラインナップ(PDF)が発表された。ノットは東京に5回もやってくる。今シーズンも意欲的なプログラムが並んでいるが、一例をあげれば、ヨハン・シュトラウス2世のワルツ「芸術家の生涯」+リゲティの「レクイエム」+タリスの40声のモテット「スペム・イン・アリウム」+リヒャルト・シュトラウスの「死と変容」。人生と死をテーマにした実に凝ったプログラム。東響コーラスにとっての大きなチャレンジでもある。思わず心の「いいね」ボタンを押してしまったのは、アイヴズの「答えのない質問」とシューベルトの「未完成」交響曲の組み合わせ。Unanswered Question に対する答えが Unfinished Symphony 、みたいな。そして、年末の「第九」をノットが指揮するというのも大きな楽しみ。
●また、ミューザ川崎の開館15周年記念公演として、シェーンベルクの「グレの歌」が2公演、開催される。管弦楽150名、合唱250名の計400名規模の大作。節目の年の大作と言うことで、通常ならマーラーの「千人」などがとりあげられそうなところを、あえてシェーンベルクの「グレの歌」。この大作をライブで聴く貴重な機会が到来!……ではあるのだが、あれれ、この曲って東京・春・音楽祭で大野和士指揮都響が演奏するという話をつい先日ここに書いたばかりではないの。そして、3月にはカンブルラン指揮読響も同曲を演奏する。まさかの「グレの歌」首都圏三連発。こんな偶然って、あるんだ。渾身の企画がかぶりまくってグレそうになるところだろうが、こうなった以上は3つの楽団で「グレグレグレの歌」スタンプラリーをやるのが吉。シェーンベルクの自画像モチーフでスタンプの図案とか、作ってみたら楽しそう。
●もうひとつ新しいトピックス。音楽・動画配信サービス TSO MUSIC & VIDEO SUBSCRIPTION がこの日からスタートする。これは定期演奏会をはじめとしたライブ演奏の音声と動画の配信サイト。既発売のCDタイトルの音源も聴ける。株式会社フェイスのFANS(ファンズ)というプラットフォームを利用したサービス。プラットフォームのノリとしては、ファン・サイトみたいな感じで、グッズの販売もある。月額500円。これは期待したい。
November 7, 2018