●30日、南麻布セントレホールで日本コロムビアの新レーベル Opus One 始動発表会が開かれた。オーパスワン、すなわち作品1。20代の有望な若いアーティストたちを、コンクール歴や活動実績にとらわれずに制作ディレクター陣が見出して、世に送り出そうという趣旨のレーベルで、2019年は5人の奏者がこのレーベルからデビューする。写真左よりギターの秋田勇魚(いさな)さん、ヴァイオリンの石上真由子さん、ピアノの古海行子さん、チェロの笹沼樹さん。会見の場ではそれぞれ少しずつ演奏したうえで、意気込みを語ってくれた。あともう一人、ウィーン留学中で参加できなかったソプラノの鈴木玲奈さんはビデオメッセージで登場。
●いきなり5人もの新人アーティストが続々とあらわれたので、なんだかオーディションみたいな気分になってしまうのだが、別にこちら側が札を上げたりはしないんである。こういったものは最後に登場する人がいちばん印象に残るもので、チェロの笹沼樹さんの朗々として雄弁なソロが光っていた。実際のところ、みなさん20代とは言ってもそれぞれにコンクール歴や演奏歴などしっかりとしたバックボーンを持った方がそろっており、あらゆる可能性に満ちている。
●ひとつ今回のOpus Oneレーベルで特徴的なのは、各アルバムに1曲は邦人作品を含めるというポリシー。幸田延のヴァイオリン・ソナタ ニ短調、大澤壽人「てまりうたロンド」、間宮芳生のチェロとピアノのための六つの日本民謡より「ちらん節」、なかにしあかね(星野富弘作詞)「今日もひとつ」、加藤昌則の「5つの失われし手紙」より「スコットランドの夕暮れの手紙」といった曲が収録されている。
December 5, 2018