●レコード・アカデミー賞 2018年度(音楽之友社主催)が発表された。今年の大賞はテオドール・クルレンツィス指揮ムジカエテルナによるマーラーの交響曲第6番「悲劇的」(ソニー)。あれれ、昨年もクルレンツィスじゃなかったっけ? と思って確かめてみたら、やはりクルレンツィス指揮ムジカエテルナでチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」だったんである。クルレンツィス連覇。西欧の常設メジャー・オーケストラではなくムジカエテルナのような楽団が、2年連続して一年を代表する録音に選ばれているのは興味深い。
●あと、クルレンツィスが指揮した「交響曲第6番」という点でも2年連続になったわけだ。となれば、2019年はクルレンツィスのベートーヴェンの交響曲第6番「田園」あたりが出て、毎年交響曲第6番が受賞するみたいな流れができたら楽しい。あるいは「悲愴」「悲劇的」と来たので、流れ的には次はブラームスの「悲劇的序曲」とか来るんじゃないか(なわけない)。
●これに続く、大賞銀賞はイザベル・ファウスト、ジャン=ギアン・ケラス、アレクサンドル・メルニコフによるドビュッシー「最後の3つのソナタ集」(ハルモニア・ムンディ・フランス)。大賞銅賞はラトル指揮LSO、マグダレーナ・コジェナー、クリスティアン・ゲルハーヘル他によるドビュッシーのオペラ「ペレアスとメリザンド」(LSOライブ)。没後100年のドビュッシー・イヤーの収穫。
●ほかにも部門賞がたくさんあるが、とりあえず上記3タイトルをSpotifyのプレイリストに入れておいた。有料会員推奨。もっとも、こういうのって聴くには便利だけど、メタデータ(書誌情報的なもの)が常に不足気味なのが惜しいんだけど。
December 7, 2018