●さて、アジア・カップ準決勝のもう一試合はカタールvsUAEの中東対決。元日本代表監督のザッケローニが率いるUAEは開催国でもあり、一方的なスタジアムの声援を期待できるわけだが、それ以前に両国は2017年から断交状態にあって、いささか不穏な雰囲気に包まれるゲームになった(カタール国歌にブーイングが浴びせられるとか、観客席からペットボトルが投げ入れられるとか)。そんな逆境を跳ね返して、カタールはUAEを4対0で撃破。完全に一枚上手だったといっていい。
●なにしろカタールは次回のワールドカップ開催国。一部省略しつつ高速録画観戦した限りでは、よく鍛えられたエリート集団のチームといった印象で、一昔前の「中東といえばカウンター」のイメージからは程遠い。ディフェンス・ラインからボールをつないでゲームを組み立てる。というか、UAEにもポゼッション志向は感じられて、どちらもリアクション・サッカーではなく、自ら主導権を握ろうとして正面からぶつかった結果、地力で勝るカタールが試合を制したといった様子。UAEで悔やまれるのは前半22分の最初の失点で、遠目からブアレム・フーヒが思い切って打ったミドルをキーパーが弾けず。続く37分のアルモエズ・アリはディフェンスに囲まれながらも合間を縫ってのスーパーゴール。ザッケローニのアジアを巡る長い旅は終わった。
●さて、決勝戦のニッポンvsカタールはどんな雰囲気になるのだろう。ひょっとして反カタール感情の強いUAEサポたちがニッポンを応援してくれたりするのだろうか。あるいは、彼らにとってはもはや終わった大会にすぎず、寂しく閑古鳥の鳴くスタジアムで決勝戦が執り行われることになるのだろうか。
January 31, 2019