●25日の昼は上野の国立西洋美術館へ。東京・春・音楽祭のミュージアム・コンサート「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ」展 記念コンサートvol.1として、佐野隆哉のピアノによる1920年代のパリをテーマとしたプログラム。この音楽祭ならではの美術展と連動した企画で、まず国立西洋美術館の村上博哉副館長によるル・コルビュジエ展についてのレクチャーが20分ほどあった。続いて、佐野隆哉によるピアノ演奏へ。プログラムはサティの「ジュ・トゥ・ヴ」ではじまり、「6人組のアルバム」よりオーリックの前奏曲、デュレの無言歌、ミヨーのマズルカ、タイユフェールのパストラール、続いてオネゲルの「ショパンの思い出」、プーランクの「ナゼールの夜会」。使用ピアノはベヒシュタインで、ブリリアントすぎず、マットな質感の美音。ニュアンスに富み、色彩感豊かな洗練された演奏を堪能。「6人組のアルバム」は前奏曲で始まって、舞曲様の小曲が続くバロック風の組曲仕立て。全6曲からオネゲルとプーランクのふたりを抜いた4人分だけの抜粋だが、その後で両者の作品を演奏しているので合わせ技で6人組全員を聴けるという趣向。アンコールにプーランクの「愛の小径」。企画展示ロビーという小ぢんまりとした空間で、奏者の間近で聴ける実にぜいたくな時間だった。
●このミュージアムコンサート、同じチケットで「ル・コルビュジエ」展も鑑賞できるというのが大きな魅力。本来ならそちらに行くべきだが、この日は思うところあって、上野の森美術館のVOCA展を訪れることに。こちらはこちらで別の公演と連動している展覧会なのだが、40歳以下の有望作家による平面作品を集めている。とても刺激的で見入ってしまう作品もあれば、なにがいいのかさっぱりわからない作品もあってたいへん楽しい。撮影禁止なので写真は入り口だけ。
●同美術館のギャラリーでは「内海聖史展ーやわらかな絵画ー」が同時開催中。こちらは入場無料で撮影も可。桜の季節にふさわしい清爽な大型作品。
March 26, 2019