●東京の桜は満開に。どこに行っても桜の花が咲き誇っている。よく知られているようにソメイヨシノはすべてクローンなので、どの個体も気候条件が同じなら同じように咲く。桜による季節感は人為的にもたらされたものであると思うと感慨深い。人口交配技術が生み出したポエジー。どれも遺伝子的には同一個体の種が繁殖している状況は、動物にたとえるとかなり不気味のような気もする。ソメイヨシノ同士では自然交配はできないんだとか。つまりヒトがいなくなればソメイヨシノもいずれは消える。
●ソメイヨシノの花の色は、白である。でもサクラ色というともっとピンクっぽい、淡い紅色を指すと思う。桜といえば圧倒的にソメイヨシノなのに、どうしてそうなったのか。ソメイヨシノが全国津々浦々に広がるよりも前に、「サクラ色」という概念が誕生したのだろうか? 実際、ソメイヨシノ以外の桜はピンクっぽい花が好まれていると思う。
●たとえば、このコマツオトメ。上野公園の入り口にある。東京・春・音楽祭の季節になると、ミュージアムコンサートなどのついでに立ち寄って眺めることができる。ソメイヨシノよりもだいぶ早く咲く。
●もっとピンクっぽいのはこちらのヨウコウ(陽光)。六本木のテレビ朝日前にある毛利庭園で咲いているもの。かなり派手。桜といっても、ソメイヨシノとはずいぶん雰囲気が違ってて、学校の入学式なんかには似合わないタイプ。
April 5, 2019