April 9, 2019

J1リーグ第6節 浦和vsマリノス 鼻高々のポステコグルー


●好きなのか、嫌いなのか。それすらも一言であらわせない、ポステコグルー監督の原理主義的アタッキング・フットボール。ひとつ自信を持って言えるのは、この刺激に慣れてしまったら、マリノスが伝統的に得意としてきた堅守のサッカーに戻れないということ。まるで麻薬のようなハイライン、ハイプレス、偽サイドバック、ポゼッション主義のサッカーが今季も続いている。
●で、第6節は金曜日にアウェイの浦和戦。DAZNで観戦。マリノスは前節に引分けで終わった鳥栖戦のメンバーをそのまま使ってきた。GK:朴一圭、DF:松原、チアゴ・マルチンス、畠中、広瀬陸斗-MF:喜田、三好、天野(→扇原)-FW:仲川、マルコス・ジュニオール-エジガル・ジュニオ(→遠藤渓太)。前節同様、マリノスのボールがよくつながり、序盤からゲームを支配、前半7分、あっさりと先制。右サイドで仲川が出したパスを浦和の山中(昨季までマリノスのキー・プレーヤーだった山中だ)が弾くと、これがゴール前に流れた。すると浦和のキーパー西川とマウリシオがお見合いするような形になって、ファーにいたマルコス・ジュニオールの目の前に。難なく決めて1点。
●前半途中でエジガル・ジュニオがおそらく筋肉系のトラブルで遠藤渓太と交代。後半16分、その遠藤の好守備から追加点。ゴール前の波状攻撃に西川がナイスセーブを連発して、もうチャンスは消えたと思ったところで、遠藤が相手からボールを奪い、これをマルコス・ジュニオールが狙いすまして左足でゴール。利き足は右のはずだが、左足で2ゴール。後半25分にはマルコス・ジュニオールのパスから広瀬がフリーでシュート、これを決めて初ゴール。かつてお父さんが活躍した浦和相手の初ゴールは感慨深かったのでは。3ゴールを奪って完勝。相手に質の高いチャンスを作らせず、無失点で終えたのは大きい。選手の連動性が高く、ボールを受けるために前方にスプリントする回数も多かった。守護神飯倉をベンチに追いやった朴は2試合連続先発。走行距離6.8キロはかつての飯倉の「走るキーパー」をほうふつとさせる。
●マリノスはなぜか伝統的に浦和と相性がいい。チーム力で明らかに相手が上回っている時期でも善戦する傾向がある。これまではその理由を、おおむねポゼッションを重視して攻撃的なサッカーを目指す浦和に対して、堅守で耐えながら数少ないセットプレイやカウンターのチャンスに賭けるマリノスの戦い方は「ハマりやすい」のかなと推測していたのだが、ぜんぜんそういうことじゃないのかも。試合終了後、ポステコグルー監督はやってることは前の試合とまったく同じで結果が違っただけみたいなことを得意げに語っていた。まあ、その通りなのだが、なぜかムッとする。

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