●ベルリン・フィルの新シェフに決まったのに、一般的なレパートリーの録音がほとんどないと嘆かれていたキリル・ペトレンコだが、ようやくベルリン・フィルからチャイコフスキーの「悲愴」のCDがリリースされた。これ一曲のみの収録。首席指揮者選出後初の客演となった2017年3月の公演のライブ。3回の演奏会とゲネプロをもとにした録音とのこと。ベルリン・フィル・デジタルコンサート(DCH)ではこの「悲愴」はもちろんのこと、その後のペトレンコのライブも毎回オンデマンドで提供されているので、もはやペトレンコ指揮ベルリン・フィルの録音に対する飢餓感みたいなものはなくなっているが、本質的にライブ中継であるDCHと、念入りな編集を経たCDとでは別ジャンルの音楽の楽しみ方というべきか。
●で、これまでのベルリン・フィル・レコーディングスの録音では、いずれも音楽CDよりも、むしろハイレゾ音声のほうが主役だったと思うが、今回の商品は音楽CD(SACDハイブリッド)+ハイレゾ・ダウンロード・コード(24bit/192kHz)という形態になっている(DCH7日間無料視聴のオマケ付き)。これまでのような 24bit/96kHz のBlue-rayディスクは付いていないけど、192kHz/24bit のダウンロード・コードは付いているわけだ。中間がなくなって、両端が残ったという感じ? 一般的な音楽ファンがどこまでハイレゾを求めているのかは気になるところなので、ダウンロード率を知りたいものである。
May 15, 2019