●ニッポンとカタールがゲスト参加していたコパ・アメリカ2019ブラジル大会だが、決勝はブラジル対ペルーの対戦となった。キックオフ前に黙祷あり。だれか亡くなったのだろうと思ったら、ジョアン・ジルベルトを悼んでの黙祷なのだとか。サッカーのビッグマッチで音楽家に黙祷が捧げられたことがこれまでにあっただろうか。
●試合結果は、地元ブラジルが3対1で見事に勝利して、12年ぶりの南米チャンピオンに。ペルーは前線から精力的にプレスをかけ、ブラジル相手にまったく臆することなく戦ったが、攻撃力でも守備力でも一歩及ばず。ブラジルは攻守のバランスがとれている。今回、ネイマールが参加していないのだが、それでも豪華メンバーがそろい、しかもひとつにまとまっていた。
●ブラジルは前半15分にエベルトンのゴールで先制するも、44分にPKで失点し同点に追いつかれてしまう。ペルーの士気はこれで大いに上がったはずだが、直後にジェズスにゴールを決められてしまったのが痛かった。後半25分、そのジェズスが2枚目のイエローで退場。しかしスローで見てもイエロー相当のプレイには見えない。せっかくVARを導入しているのに、この場面で使えないとは。あいかわらず、VARの使い方には疑問点が多い。その後、ひとり少ないブラジルは守りを固めたうえに、試合終了直後にはエベルトンの突破からPKを得て、これをリシャルリソンが決めた。
●ブラジルの先発メンバーだけ記しておくと、GK:アリソン-DF:チアゴ・シウバ、マルキーニョス、アレックス・サンドロ、ダニエウ・アウベス-MF:カゼミーロ、アルトゥール、ガブリエル・ジェズス、コウチーニョ、エベルトン-FW:フィルミーノ。ディフェンス・ラインの内、3人はそろってパリ・サンジェルマンの選手。ダニエウ・アウベス36歳が健在なことに驚くが、そればかりか彼は大会のMVPになった。リバプールのアリソンとフィルミーノ、バルセロナのコウチーニョとアルトゥール、レアル・マドリッドのカゼミーロ、マンチェスター・シティのジェズス……とすごいメンバーが並ぶが、そのなかにあってこの日、ひときわ輝いていたのが唯一の国内組、エベルトン。グレミオ所属の23歳。欧州ビッグクラブの奪い合いになることは必至。すばらしい突破力。
●ペルーのリカルド・ガレカ監督もどこかから引き抜かれるかもしれない。アルゼンチン人。ブラジルが南米王者になってもだれも監督の手腕だと思わないが、ペルーが決勝に進めばだれもが監督の功績を認める。
July 9, 2019