July 12, 2019

ヘンリク・ナナシ指揮読響のコダーイ&バルトーク他

●11日はサントリーホールでヘンリク・ナナシ指揮読響。ナナシはハンガリー出身の俊英。コダーイ「ガランタ舞曲」、サン=サーンスのピアノ協奏曲第5番「エジプト風」(リュカ・ドゥバルグ)、バルトークの管弦楽のための協奏曲というお国もの中心のプログラム。読響とは2018年3月に初共演する予定だったが、急病でキャンセルとなり、今回初登場。すでにベルリン・コーミッシェ・オーパー音楽総監督を務めるなど大活躍中。それにしても名前がナナシさん。インパクトがあるんだかないんだかよくわからないが、印象は鮮烈。ハンガリー出身のうえに肘を張った鋭角的な指揮ぶりとあって、ショルティを連想する人多数。
●コダーイの「ガランタ舞曲」もバルトークの管弦楽のための協奏曲も、張りつめたキレキレのサウンドで、辛口。特にバルトークは速めのテンポと熱量でぐいぐいとオーケストラを引っ張る。切れ味鋭い弦、管の名技性豊かなソロなど、読響のアンサンブルは聴きごたえあり。第1楽章のハープの「ジャカジャカ……」で強烈な音。第4楽章はスリル満点。終始ハイテンションで圧の強い音楽なのだが、ときおり土臭さも垣間見えて、バルトークのカッコよさを存分に堪能。
●ドゥバルグは長身痩躯、「エジプト風」というやや意外な選曲。ソリスト・アンコールで濃厚なサティ「グノシエンヌ」第1番。来週のリサイタルを刮目して待つ。

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