September 4, 2019

大野和士指揮東京都交響楽団のベルク&ブルックナー

●3日は東京文化会館で大野和士指揮都響。ベルクのヴァイオリン協奏曲(ヴェロニカ・エーベルレ)とブルックナーの交響曲第9番という「白鳥の歌」プログラム。告別のプログラムを、新たな生命の誕生を間近に控えるソリストが奏でる。大野和士のブルックナーはやや意外な選曲で、ベルクをより楽しみにしていたのだが、強い印象を刻んだのはブルックナーのほう。伝統的なブルックナー像が深い森を思わせる重厚な響きを連想させるとしたら、こちらは重工業的というか、巨大な溶鉱炉で赤光を放つ鉄塊のようなブルックナー。強い筆圧で描かれた、剛健でたくましい造形美を堪能。祈りや神が不在でもブルックナーは成立するという心強い宣言。ビバ、世俗のブルックナー。
●京成上野駅側から文化会館方面に上る坂道が工事中で通行できなくなっていた。JRからホールに直行する際は関係ないが、下で先に食事をとった場合は上野公園内を通ることになりそう。上野の森さくらテラスのエスカレーターを使って上ってみた。

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