●早くもワールドカップ2022カタール大会の2次予選がスタートした。サッカー界は2020よりも2022。いや、灼熱のカタールで本当に大会が開かれるのかという疑問はいまだにあるのだが、とにかく予選は始まった。ちなみにこの2次予選は、アジアカップ2023中国大会の予選も兼ねている。サッカー界は過密スケジュールなのだ。もうひとつ言っておくと、いきなり2次予選から始まったのは、ニッポンは1次予選を免除されているから(全46チーム中、FIFAランキング上位34チームが免除。つまり免除される国のほうがずっと多い)。
●さて、ニッポンが2次予選で戦う相手はキルギス、タジキスタン、モンゴル、ミャンマー。なんと、中東勢がいない。そして、2次予選といっても感覚的には実質的に1次予選程度の相手。各組1位、および2位の成績上位チームの合計12チームが最終予選に進む。えー、なんでこんな楽な相手になっちゃったんだろう。不思議な気がするがこれはクジ運、ということなんだろう。日本は他のアジアの強豪と並んで第1シード。第2シードにはイラク、ウズベキスタン、シリア、オマーン、ヨルダンなど厄介な相手もいたのに、キルギスが日本と同組になった。そして、第3シードにも北朝鮮、バーレーンなどがいたのに、タジキスタンが同組になった。第4シードにもクウェートがいたのに、ミャンマーが来た。まるでモーゼが海を割って最終予選への道を作ってくれたかのように、平坦な2次予選になってしまった。これをラッキーと言っていいのかどうかは微妙なところだが……。
●で、アウェイのミャンマー戦だ。森保監督は予想通り先日のパラグアイとの親善試合と同じメンバーを先発させた。GK:権田-DF:酒井宏樹、冨安、吉田、長友-MF:橋本拳人、柴崎-堂安(→伊東純也)、南野(→鈴木武蔵)、中島(→久保建英)-FW:大迫。なんと、フィールドプレーヤー10人が全員別の国でプレイしているという珍事。フランス、イタリア、イングランド、トルコ、日本、スペイン、オランダ、オーストリア、ポルトガル、ドイツ。途中出場の伊東がベルギーだから、彼を中島と交代させていれば、キーパーも含めて11人全員が別の国になったのに、惜しい、惜しすぎる!
●いやー、全員Jリーガーだったころに比べると、ホントに時代は変わった。「サッカーのプロ化なんて、ムリムリ。まだバレーボールのほうが可能性ある」なんて言われてた日本リーグ時代から、Jリーグを創設してここまでやってきたサッカー界、ホントにすごい。
●肝心の試合内容であるが、雨がすさまじく、水をたっぷり含んだ芝でまるでボールが転がらない。ミャンマーは雨期。ボールが途中ですっと失速して思わぬところで止まる。スムーズなパスワークなどできるはずもない。なので、ニッポン代表はそれに応じたプレイ。高さでも優位に立てたので空中戦でも無問題。ほとんどの時間、ニッポンがボールを持つ展開。前半16分に中島が左サイドからカットイン、得意の角度からドライブ回転のかかったシュートをゴール右上に決めて先制点。早めのゴールで楽になった。前半26分、堂安のアシストで南野が頭で決めて2点目。個の力に大きな差があり、しかもミャンマーの守備組織が緩いとあって、その後も次から次へとチャンスを作ったが、いらだった相手のラフプレイがあったり、ヨルダンの審判がそう信頼できるとも思えなかったりで、2点を取った後は「いかにケガをせずに無事に終えるか」がテーマになった感。実力差がありすぎると、大量点は入らないもの。唯一ミャンマーで印象的だったのは、スタンドにつめかけたサポーターで、本当に盛り上がっている。一度、笛で試合が止まっている場面で、たまたまボールが日本のゴールに入ってネットを揺らせたら、それだけでワーッと歓声が上がった。そのノリ、よくわかる。ミャンマー 0対2 ニッポン。
September 11, 2019