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September 19, 2019

国際音楽祭NIPPON 2020 諏訪内晶子芸術監督 記者会見

国際音楽祭NIPPON 2020 諏訪内晶子芸術監督 記者会見
●13日は帝国ホテルで「国際音楽祭NIPPON 2020」の記者会見。諏訪内晶子芸術監督らが登壇。今年で6度目となる同音楽祭、今回は東京、名古屋、釜石で2月14日から3月15日にわたって開催される。全体としては生誕250周年を迎えるベートーヴェンの比重が高めだが、公演ごとのプログラムは実に多彩。オーケストラ、室内楽、現代作品、マスタークラス、名古屋でのミュージアムコンサート、釜石での復興応援コンサートなど、一口ではくくれない幅広さ。
●注目公演としては、まずは開幕公演となる諏訪内晶子とニコラ・アンゲリッシュのデュオ・リサイタル。こちらはベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタが並ぶ。諏訪内さんとアンゲリッシュは、以前ベートーヴェンのレコーディングで共演した旧知の間柄。昨年のアルゲリッチ・フェスティバルで久々に共演したところ、お互いに「またやってみようか」ということになって、今回の共演が実現したとか。「レコーディングをした10年前とはまた違った表現ができるのではないか」。
●オーケストラではジャナンドレア・ノセダ指揮ワシントン・ナショナル交響楽団が出演。チャイコフスキー国際コンクールから30周年ということで、諏訪内さんがチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を弾く。ほかにドヴォルザークの「新世界より」ほか。
●目を引いたのは紀尾井ホールでの室内楽公演で、一公演が古典、一公演が現代の作品となっている。後者のプログラムはライヒ「ヴァイオリン・フェイズ」、川上統の組曲「甲殻」より、ダルバヴィのピアノ三重奏曲、レオ・オーンスタインのピアノ五重奏曲第2番。新鮮味のあるプログラム。
●ほかにはベートーヴェンの室内楽マラソンコンサートも。三部にわたってピアノ三重奏曲や七重奏曲、弦楽五重奏曲などベートーヴェン漬けになれる一日。
●質疑応答で「この音楽祭は自分がこれまで経験してきたことへの恩返しをしたいという気持ちで始めた。今はとても充実した活動ができている」と語っていたのが印象的だった。