October 9, 2019

マルク・ミンコフスキ指揮東京都交響楽団のシューマン&チャイコフスキー

●7日は東京文化会館でマルク・ミンコフスキ指揮都響。シューマンの交響曲第4番(初稿)とチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」というプログラム。前半のシューマン、自分は改訂稿が大好きすぎて、最近ときどき耳にする初稿のよさがあまりピンと来ていないのだが、どのあたりが魅力なんだろうか。オーケストレーション? でも第4楽章なんて断然改訂稿のほうがカッコいいと思うんだけど。
●後半の「悲愴」は鮮烈。一貫して速めのテンポでぐいぐいと進む。ほとんど踊れそうなインテンポの「悲愴」。慣習的なタメをよしとしないけど、ところどころの間は長めにとるのがミンコフスキ仕様。べたついた感傷をすっきり洗い落とす、でもドラマはしっかり残っていてエモーショナル。第1楽章のppppppはバスクラリネットで代用せず、そのままファゴットで。なんの問題もない。ミンコフスキは楽章間で指揮棒を下ろさずに緊張感を保ったまま次へと進む。第3楽章の驀進は爽快。先月、この曲はディエゴ・マテウス指揮サイトウ・キネン・オーケストラの熱演を聴いたばかりだけど(メンバーは何人か重なっているはず)、まったく別種のアプローチ。終楽章は十分にドラマティックでありながら、儀式性を排除することに成功していた。荒々しいホルンのゲシュトップ。カーテンコールをくりかえした後、いったん拍手は止みかけたものの、数人のお客さんが熱心に手を叩き続けたおかげで周囲に拍手が広がり、ミンコフスキのソロ・カーテンコールに。残ったお客さんだけで立ち上がって大喝采。

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