●W杯アジア2次予選、先日のモンゴル戦に続く、アウェイのタジキスタン戦。相手はこの試合のために2週間の合宿を組み、こちらは移動しての中四日。森保監督は先発メンバー4人を入れ替えてきた。けがの冨安の代役は植田。トップには永井に代えてフランクフルトの鎌田を起用。大迫不在の今回、ほかに9番タイプの選手がいないので、前線は偽9番タイプか、スピード勝負のタイプが担うことになる。GK:権田-DF:酒井宏樹、植田、吉田、長友-MF:橋本拳人、柴崎-堂安、南野(→久保建英)、中島(→浅野)-FW:鎌田大地(→永井)。
●アウェイのタジキスタン戦というと、2011年にワールドカップ2014アジア3次予選をザッケローニ監督のもとで戦っている。そのときはピッチ上にほとんど芝がなく、ほぼ土という草サッカーで使う区立のグラウンドみたいな状態で、これはないだろうと思ったものだが、あれから8年。タジキスタンのピッチは青々としている……人工芝で(!)。映像を通してもボールのバウンドや転がり方に違和感。そしてタジキスタンの選手たちはコンディションもよく、試合開始から鋭い出足でプレッシャーをかけてくる。スタンドは大声援でタジキスタンを鼓舞。こうなるとニッポンもいつものきれいなボール回しができなくなる。いつになくボールを失う展開で、前半はかなり苦戦することに。タジキスタンも守ってカウンターなど狙わずに、ホームらしく主導権を握ろうとして、どんどんニッポンのゴールを襲う。前半、無失点で済んだのはタジキスタンが決定機に決めきれなかったから。権田のファインセーブあり。ほぼ五分の戦いに。
●後半、ニッポンは鎌田がトップ下、南野がトップに入る形に。もともと前半からふたりが随時入れ替わる予定だったそうだが、後半からは選手間の判断でポジションを入れ替えたという。結果的にこれが功を奏して、後半8分、左サイドの中島のクロスから中央でマークを外した南野がヘディングで先制点。さらに続いて後半11分、柴崎のスルーパスから右サイドの酒井がグラウンダーの高速クロスを入れ、ゴール前で南野がヒールで合わせて流し込む技巧的なゴール。これで一気に楽になった。後半途中からタジキスタンは運動量も落ち、攻守の切り替えが遅くなる。後半37分、酒井のクロスからファーサイドで交代出場の浅野が頭で叩きつけて3点目。移籍問題で苦労してセルビアのパルチザン・ベオグラードで奮闘する浅野拓磨だが、久々の代表ゴール。吉。タジキスタン 0-3 ニッポン。
●南野の充実ぶりとは対照的に、PSVに移籍した堂安はプレイが淡泊。現状では伊東純也のほうが機能している。中島も無用なボールキープとロストが目立つ。南野、中島、堂安の「三銃士」が森保体制の看板のように思っていたが、今後ポジション争いが激しくなりそうな予感。
October 16, 2019