●11月10日、日本サッカーの4部リーグであるJFLに大きな動きがあった。岡田武史元日本代表監督がオーナーを務めるFC今治が勝利して、4位以内を確定。これで事実上のJ3昇格が決定したんである。
●FC今治についてはこれまでになんどか話題にしてきた。これは岡田武史ただひとりがプレイ可能な「リアルさかつく」。愛媛の小さなアマチュアクラブに出資してオーナーとなり、資金を、スポンサーを、選手を、コーチを集め、自らのメソッドに基づき理想のサッカーを実現し、2025年にACLで優勝してアジアナンバーワンを目指す。そんな壮大な夢を掲げている。まず2015年に四国リーグで優勝するも全国地域サッカーリーグ決勝大会で敗退しJFL昇格は失敗、続く2016年にJFLへの昇格を決めた。このとき岡田オーナーが「JFLは一年で通過してJ3へ行く。ここで何年もかかると停滞する」みたいに豪語していたのをワタシは覚えている。これまで東京武蔵野シティFC(旧横河電機)を中心に数多くのJFLの試合を観戦してきたワタシとしては、これに少々ムッとして「いやいや、JFLのレベルはけっこう高いから!」と思ったものである。で、2017年。今治FCはJFLで6位だった。ほーら、JFL、キツいっしょ。ワンシーズンで通過する? どの口が言うか~、ってなものである。続く2018年は健闘していたが、最後に失速して5位。ははははは、JFL、甘くない。
●実のところ、JFL基準で見ると、今治はJFL離れしたスポンサーと有名選手を擁するド派手なクラブ。みんな今治相手となるとカッカッと燃えた面もあったと思う。思い出すけど、以前に武蔵野がホームで今治を粉砕したときなんて、観客席になんとも言えない爽快感が漂っていた。サッカー・ファンとして岡田さんの夢は超リスペクトしてるけど、直接の対戦相手になったら話は別だ。
●そして2019年。ついにFC今治は4位以内を確定した。岡田オーナー、今治のみなさん、おめでとうございます。このJFLを3年で駆け抜けたのは立派なもの。ちなみにJFL優勝はすでにHonda FCに決まっている。なんと4連覇。Honda(本田技研工業)は近年稀有な正社員による実業団チーム。将来の生活まで考えると、ほとんどのJリーガーよりトータルで恵まれた待遇にあると思う。安定した身分だからいい選手がやってくるのか、生活の不安がないから選手がサッカーに打ち込めるのか、それとも待遇なんか関係なくて練習や戦術がすばらしいのか、そのへんはよく知らない。とにかくHondaは強い。
●あまり注目されていないが、東京武蔵野シティFCも4位につけており、J3昇格のチャンスがある。ところが大問題があって、J3昇格には成績のほかに、ホームゲーム平均観客数2000名という条件がある。ワタシが観戦した試合では観客はだいたい数百名で、ときどき1000名を超えるというイメージ。実現不可能な数字に思えたのだが、最終盤になって平均2000名をクリアすべく、なりふり構わない集客をしていて、ラスト3試合目に3828名、ラスト2試合目に5284名という目を疑うような数字を叩き出した。が、残るホームゲームは1試合。そこでた5703名集めれば平均2000名になるようなのだが、これって武蔵野陸上競技場の収容人数と比べてどうなんでしょ。
November 13, 2019