●22日午後、「東京・春・音楽祭特別公演 ベルリン・フィル in Tokyo 2020」記者発表へ。会場は東京文化会館大ホールのホワイエ。「えっ、またベルリン・フィルの記者会見? つい3日前にもあったのに」と思わなくもないけど、今回は「東京・春・音楽祭」主催公演の会見。2020年6月24日から27日にかけて「東京・春・音楽祭」特別公演にドゥダメル指揮ベルリン・フィルが招かれる。東京2020大会の公式文化プログラム「東京2020 NIPPONフェスティバル」の共催プログラムでもある。会見には東京・春・音楽祭の鈴木幸一実行委員長、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の武藤敏郎事務総長、ベルリン・フィルのインテンダントであるアンドレア・ツィーツシュマン、同ソロ・チェロ奏者のオラフ・マニンガーの各氏が登壇。
●東京文化会館で開かれるプログラムは3種類。プログラムAは東京2020大会のためのスペシャル・コンサートということで、世界各国の曲を集めたプログラム。ショスタコーヴィチのバレエ音楽「黄金時代」、ジョン・ウィリアムズの「サモン・ザ・ヒーロー」、マルケスのダンソン第8番、ラヴェルの「ボレロ」らに交じって、日本代表(?)として早坂文雄の映画音楽「羅生門」より。こんな機会でもなければ、ベルリン・フィルでは決して聴けないプログラム。
●プログラムBはマーラーの「復活」。プログラムCはベートーヴェンの「第九」。ともに合唱は(この音楽祭ではおなじみの)東京オペラシンガーズが務める。
●ツィーツシュマン「私たちのオーケストラは28か国のメンバーからなる小さなオリンピック村のようなオーケストラ。世界中を回る文化大使としての役目を果たしており、多様性の大切さをアピールしてきた。社会貢献活動や教育プログラムにも力を入れている。今回、2020年の文化プログラムのために協力してほしいと頼まれたとき、イエス!と即答した。プログラムを決めるにあたっては、日本とドイツの友好関係を象徴するようなものにすること、そして民族の多様性を重視するものにしたいと考えた」
●それと、もうひとつ注目すべき公演がある。6月27日、なんと、無料の野外コンサートで「第九」が演奏される。場所は……新宿御苑! そ、そんな手があったとは。新宿御苑の風景式庭園といってわかるだろうか、いちばんだったっぴろい芝生が広がる場所だ。「一万人の野外コンサート」と題されている。荒天の場合は一日順延され、その日も荒天なら中止。6月下旬なので梅雨の可能性が高いが、荒天というのは本当に荒れた天候の場合であって、普通の雨だったら決行するとのこと。それと公演は無料で聴けるが、新宿御苑の入園料がかかる(一般500円)。事前応募制。0歳から入場可。なお、こちらの公演に限り、世界各国からさまざまな人たちが集まって300名ほどの臨時編成の合唱団が組まれるのだとか。
●新宿御苑にはよく足を運ぶのだが(年パス推奨)、ふだんは広々としていて人が少ないイメージ。あそこに一万人もつめかける様子を想像できないけど、どうなるんでしょね。新宿御苑がヴァルトビューネみたいな雰囲気になるんだろうか。ちなみに当日は新宿御苑はいつも通りに開園しているので、事前応募していなくても、席以外のエリアで聴くことはできるんだとか。
November 26, 2019