December 16, 2019

EAFF E-1サッカー選手権 ニッポンvs香港代表

香港●EAFF E-1サッカー選手権、中国戦に続く第2戦は香港戦。この大会の名称、EAFF E-1サッカー選手権というやたらと覚えにくい名前になってしまったが、前身は東アジアサッカー選手権、さらに遡ればダイナスティカップであり、1998年のダイナスティカップはニッポン代表が初めて公式国際大会のタイトルを獲得した大会でもあった。が、今はインターナショナルマッチウィークに開催できないゆえに欧州から選手を呼べず、国内組だけで戦う注目度の低い大会になっている。しかも森保監督は五輪代表候補の若い選手をたくさん呼んでしまったので、フル代表なのに知らない選手がたくさん。この香港戦は五輪代表+JリーグMVPの仲川みたいな先発メンバーで、初戦から選手全員を入れ替えるという徹底したローテーション。
●で、選手の個の力に大差があったため、試合は一方的な展開に。ほとんどニッポンが攻め続け、前半8分にこぼれ球に菅が完璧なボレーでゴールを決めると、さらに14分に田川、26分に小川航基が決めて、あっという間に勝敗は決着してしまった。その後、46分、後半13分にも小川が決めてハットトリック。小川はJ2の水戸ホーリーホックでプレイする22歳。J2の選手がフル代表デビューでハットトリック。こんなことが起きるのもこの大会だからこそ。結果は5対0。香港は本来は堅守のチームらしいのだが、守備組織がまったく機能せず。
●練習試合みたいになってしまったが、ひとつ目立った点を挙げるとすると森保監督が3-4-2-1の布陣を採用していることか。近年のニッポン代表は4バックで、4-2-3-1(または4-3-3)のシステムが基本。しかし森保監督が本来好むのは3-4-2-1。プレッシャーの低い状況でこの布陣をテストしているようだが、もしこれが基本システムになるのなら大変革。トルシエの「フラット・スリー」以来の3バックが定着するか。3-4-2-1だとセンターバックが3人も必要になる。それとサイドの選手がウィングバック的な選手のみで、仲川のような純然たるウィンガーの居場所が見つからない。森保監督は仲川を2シャドウのひとりに起用したが、ほとんど持ち味を生かせなかった。3-4-2-1は4-2-3-1(4-3-3)と比べるとアウトサイドでプレイする選手が減り、中央でプレイする選手(センターバック、2シャドウ)が増える。選手に合わせてシステムを選択するのか、システムありきで選手をあてはめていくのか(この日の仲川はそうだった)、森保監督の狙いがどこにあるのかは気になるところ。
●ニッポンのメンバーのみ記しておこう。GK:大迫敬介-DF:古賀太陽、渡辺剛、田中駿汰-MF:菅大輝、田中碧(→畠中槙之輔)、大島僚太、相馬勇紀-田川亨介、仲川輝人-FW:小川航基(→上田綺世)。

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