●EAFF E-1サッカー選手権、最後の第3戦は対韓国戦。ニッポンは勝つか引き分けで優勝が決まるという有利な状況だが、会場は釜山。完全アウェイでの韓国戦になった。勝つしかない韓国は予想通りキックオフと同時にすさまじいプレッシャーをかけてきた。球際の強さ、激しい当たり、スピードと運動量、すべてにおいてニッポンは圧倒されて防戦一方に。前半28分、ついに耐え切れず失点。左サイドからボールを受けたファン・インボムが技巧的なトラップでディフェンスを交わして、左足を振り抜いてシュート。これは文句なしのスーパーゴール。この1ゴールが決勝点に。
●その後、韓国のプレイ強度は格段に落ちて、ニッポンも普段のプレーができるようになった。いくら韓国でもあの激しさで90分戦えるはずがなく、前半の終わりごろからはニッポンがボールを持つ時間も増え、攻撃機会も増えたのだが、選手の連携不足もあって、決定機を作り出せず。韓国 1-0 ニッポン。韓国が描いたゲームプラン通りになってしまった。序盤の韓国の激しさについていけなかったこと以上に、韓国がペースダウンした後に攻め手が乏しかったことのほうが痛い。
●森保監督はメンバーをローテーションして、今回のチームの主力組を起用。Jリーグ・オールスターズといったところ。布陣はやはり3-6-1。左右のウィングバックに遠藤と橋岡、トップに上田、ツーシャドウに森島と鈴木武蔵という攻撃陣。しかし序盤のように攻め込まれると両ウィングバックもバックラインに吸収されて、ほとんどフラット5みたいな5バックになってしまう。こうなるとボールを跳ね返しても前が薄く、ずっと守り続けることに。あと、攻守が切り替わってカウンターになりそうな場面で、ツーシャドウがワイドに開くのか中で受けるのか、中で受けるならウィングバックが最後列から走りあがるのか等、連携が練れていないと迷いそう。3-6-1はJ1でもJ2でもけっこう使われているようなのだが、約束事の多そうな布陣だなという印象。途中交代でまたツーシャドウの位置に入った仲川は今回も持ち味を発揮できず。サイドからのクロスボールに身長161cmの仲川が中央で頭で合わせようとしているわけで、ポジショニングで混乱はあったと思う。
●GK:中村航輔-畠中槙之輔、三浦弦太、佐々木翔-MF:橋岡大樹、田中碧、井手口陽介(→大島僚太)、遠藤渓太(→相馬勇紀)-鈴木武蔵(→仲川輝人)、森島司-FW:上田綺世。欧州組がいないのは相手も同じで、韓国は全北現代や蔚山現代らの国内組にJリーグ、中国、MLS(ファン・インボム)でプレイしている選手が合流していた。
December 19, 2019