●東京オリンピック男子サッカーの予選も兼ねたAFC U-23選手権が開催中。当欄では試合を追いかけていなかったが、ニッポンがグループステージで早々に敗退することになってしまったので、第3戦までを振り返っておこう。ここまで2敗1分。アジアの戦いでは近年まれに見る不調ぶりで、森保監督の解任論まで飛び出している模様。
●この大会、そもそもニッポンはなんのために参加しているのかという大きな疑問がある。東京オリンピックにはニッポンは開催国として出場できる。だったら、この大会、出なくてもいいのでは。そう言いたくもなるが、これはオリンピック委員会の大会ではなく、AFCのU-23選手権だから不参加というわけにはいかない。だから参加するんだけど、もちろんヨーロッパの選手は呼べない。例外的にスコットランドのハーツから食野が招集されているが、ほかに欧州組の五輪代表候補は8人ほどいる。加えて本大会でオーバーエイジを3人呼ぶとすれば、合わせてちょうど11人だ。ちなみに五輪はワールドカップと違って登録メンバーは18人のみ。となると、この大会のU23でオリンピックに出場できるのは何人いるだろう。なんだか、大人の事情だけでできあがったU23のチームっていう感じだ。
●これというのもFIFA(とAFC)の過密スケジュールのなかに、4年に1回、別団体主催の国際大会を無理やり突っ込んでいるからそうなるのであって、もう男子サッカーはオリンピックに参加しなくてもいいんじゃないだろうか。フルメンバーは無理だからU23という妥協点を見つけたはずが、妥協点としても機能していない。どうしてもやるならオリンピックはU17くらいの大会にしちゃうとか? いや、違うな。O35のマスターズ・サッカーにするのはどうか。中村俊輔やカズの雄姿が見られるぞ!
●カタール対ニッポン戦は主審がひどすぎた。前半48分に田中碧が一発レッドで退場したが、VARで映像を確認できるのに、まさかそんな判定が出るとは。田中碧の足は先にしっかりとボールの上に乗っていた。ファウルですらあったかどうか。盛大に負け惜しみをすると、後半33分のカタールのPKだってかなり怪しい。だいたいカタールはアジア・チャンピオンで、フル代表のメンバーまで参加しているのに、一人少ないニッポン相手にようやく五分の戦いをして1対1で引き分けたわけで、この試合で頭を抱えるべきはカタール。11人と主審が力を合わせて、10人のニッポンとやっと引き分けた末に、オリンピック出場権を逃す始末。ニッポンは第1戦も第2戦も酷い戦いではあったが、この第3戦は胸を張っていい。
●それにしても森保監督は本大会でも3バックを採用するのだろうか。国内では3-6-1のチームがずいぶん増えているようだが、海外組にとってはなじみが薄いはず。
January 17, 2020