●3日は東京文化会館でフランソワ=グザヴィエ・ロト指揮都響。ラモーのオペラ・バレ「優雅なインドの国々」組曲、ルベルのバレエ音楽「四大元素」、ラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」(栗友会合唱団)というフランス・バレエ音楽プロ。「優雅なインドの国々」はラモーのなかでも楽しさ最強。組曲はいろんな選択がありうるけど、全5曲で第4曲に「未開人の踊り」があって、最後に「シャコンヌ」で締め。今回は短めの抜粋だったのでそうでもないけど、まとまって聴くと「シャコンヌ」で旅の終わりに来たような感慨があって、高らかに鳴るトランペットにウルッとくる。楽器はすべてモダン。この曲、ラトルとベルリン・フィルをはじめ、しばしばモダンオーケストラでも取り上げられる。最近では鈴木優人指揮読響も。バッハやヴィヴァルディがモダン・オーケストラのレパートリーから消えつつある一方、こんなふうに新たに入ってくるバロック名曲もあるのがおもしろいところ。
●「ダフニスとクロエ」では柔らかさや色彩感の豊かさよりも、緻密さと明快さ、ダイナミズムが前面に押し出された感。メタリックシルバーのラヴェル。ホールの音響特性も手伝ってか、官能性は希薄だが、くっきりシャープな「ダフニスとクロエ」に感嘆。オーケストラがよく鳴っていて、ずいぶん強い音が届くのが印象的。鮮烈な幕切れに続いて、盛大な喝采、さらにロトのソロカーテンコールあり。客席の支持は絶大。
February 4, 2020