●Jリーグ王者とカップ戦王者が対戦して新シーズンの開幕を告げるスーパーカップ。今年はマリノスと神戸が対戦。ていうか、早くない? まだ2月上旬っすよ。元旦に天皇杯決勝があったと思ったら、こんな時期にまもなく開幕と言われても。冬がシーズンオフになっていない……ブツブツ。
●で、スーパーカップだが、お互い攻撃力はあるが守備が脆いチームの対戦、しかもまだチームが固まっているとはいえない状況で3対3の乱打戦になった。そしてPK戦に突入したところ「9人連続PK失敗」という珍事が起きた。そんなバカな。Jリーグの従来の最多連続PK失敗記録5を軽々と凌駕する新記録達成。連鎖反応的に次々と選手がPKを失敗する異様な光景に震える。
●このPK戦、実は最初に2巡目まではノーマルだった。マリノス先行でチアゴ・マルチンスが決め、神戸はイニエスタが決めた。続いて扇原と田中順也が決めた。3巡目から狂乱の失敗祭りが始まる。エジガル・ジュニオが止められ、小川慶治朗がポストを直撃し、水沼が上にふかし、西大伍が止められ、松原がバーに弾かれ、大崎玲央がふかし、和田拓也が止められ、フェルマーレンがふかし、遠藤渓太がバーに弾かれ……山口蛍が決めて終わった。こうして書くとわかるが、外した選手はそろって上にふかしている。芝が長くてやりにくかったという選手の証言もあるので、ミスにはミスの理由があったのかもしれない。そしてキーパーもファインセーブを見せている。マリノスのキーパーは朴一圭(パク・イルギュ)。一方、神戸は昨季途中にマリノスでその朴にポジションを奪われた飯倉大樹。飯倉は昨季までのチームメイト相手にPK戦を戦ったわけで、かなりの程度選手の傾向を把握してはいただろう。
●そんなわけでクレージーな9人連続失敗にもそれなりに背景はあるといえばある。でも9人連続失敗したことは事実なわけで、しかもこれで負けたとなれば、こんなにトホホな展開はない。途中でだれかがど真ん中に蹴ってればそれで決着しただろうに。これが今シーズンを占う一戦、なのか。
February 10, 2020