March 9, 2020

びわ湖ホール「神々の黄昏」ライブ配信に1万2千人、ミューザ川崎の東京交響楽団に6万7千人(→最終的に約10万人に)

●公演中止になってしまったびわ湖ホールのワーグナー「神々の黄昏」だが、先日お伝えしたように、無観客で7日と8日にYouTubeで無料ライブストリーミング配信を敢行した。その視聴者数にびっくり。全部を通して見たわけではないが、7日に自分が目にした範囲では常時1万1千人台の人が視聴していて、Twitterでもトレンド入り。無観客なのに、実際には劇場の客席の約6倍もの人が見ていたことになる。字幕なし、カメラは一か所固定という配信であっても、これだけ多くの人がアクセスしているということにただただ驚く。さらに翌日の公演のラストシーンでは、1万2千人台に到達。ひとつの舞台がこれだけのインパクトをもたらすとは。単に上演中止にしてしまえばすべてが無に帰すところを、画期的な試みで日本のオペラ上演史に名を刻んだ。偉業。なお、後日DVDが販売されるが、そちらは複数カメラで撮影したもので日本語字幕も付くという。
●そして、8日、今度はミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団の「名曲全集」第155回が「ニコニコ生放送」で無観客ライブストリーミング配信された。会員登録不要で無料。大友直人指揮でラヴェルのピアノ協奏曲ト長調(黒沼香恋)、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」(大木麻理)他。こちらは本格的なカメラワークによる高品質な配信で、開始から進むにつれて視聴者数がどんどん増えていき、自分が確認した範囲では、なんと、6万7千人超にまで達した! 予想をはるかに上回る盛況ぶり。同時間帯にびわ湖ホールの「神々の黄昏」二日目が配信されているのに、それで東響に6万7千人が来ているのだから、客層が重なっていないということなのか。あるいはYouTubeとニコ動の視聴層の違いもあるのだろうか。こちらはコメント欄を開放していたので、配信中に視聴者同士でワイワイガヤガヤとおしゃべりをしながら一緒に楽しむ雰囲気になっていた。コメント欄から察するに、コアな東響ファンもいれば、普段はクラシックの演奏会にあまり足を運ばないような方もいるといった様子。ありとあらゆる無料コンテンツがひしめき合うネットの世界で、これだけの人数に演奏を聴いてもらうのは大変なこと。これを機にコンサートホールに足を運んでみたいと思った方も相当にいると思う。もちろん、コンサートが再開されないことには、どうにもならないわけではあるが。
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●追記。ミューザ川崎の東京交響楽団は最終的に約10万人が視聴したそう。すさまじい人数。

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