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March 27, 2020

ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020は開催中止に、「東京・春・音楽祭」も以後の公演を取りやめ

ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020が開催中止になってしまった……。震災の年ですら規模を縮小して開催した音楽祭だが、なにしろ現状では海外から人を呼べない。国内の感染状況も含めて5月にどうなっているのか、だれにもわからないが、これだけ大規模で複雑に入り組んだプログラムを掲げている以上、「企画の維持は困難」というのももっともな話。ルネ・マルタンは「ベートーヴェンの交響曲第5番では、運命の扉が4回たたかれます。今、まさに運命が扉をたたいています。しかし私たちはより強くなることができるでしょう。ベートーヴェンの音楽がこの困難から立ち直る力となり、私たちがより博愛に満ち、より人間らしくなれることを願っています」とメッセージを寄せている。
●ナントの来年のテーマは知らないが、2021年を「逆襲のベートーヴェン」にできないものだろうか。ベートーヴェン・イヤーがウィルス禍に屈するのは惜しすぎる。
●一部を中止、一部を開催で抵抗してきた「東京・春・音楽祭」も、本日以降の全公演が中止になった。N響の4月定期公演もスラットキンが来日できず、公演中止。ただし代役を立てて各プログラムの1日目のみ無観客で演奏して、FM生放送とTV収録を行なう。さまざまな方策を練っていたようだが、クルレンツィス指揮ムジカエテルナも公演中止。先日、一泊二日で沖縄まで行って取材してきた琉球交響楽団は、4月6日の東京公演が6月12日に延期になった(中止ではなく延期なのは救い)。嵐が続いている。