●7日夕方、ついに緊急事態宣言が出た。対象は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡。「緊急事態宣言」っていう字面から想像していたのは、予想もしていないタイミングでいきなり町にサイレンがウ~~っと鳴ったり、携帯電話が不吉な和音を奏でたり、テレビの全チャンネルで一斉に指導者の演説が放映されたり(なんならテレビのスイッチが自動で入ったり)、ウェブブラウザから「スポポーーン!」と別ウィンドウが立ち上がって、赤文字が点滅しながら「緊急事態です!」と通知したり(それじゃ別の意味のウィルスだ)といった突然の展開だが、そうではなかった。日曜の夜から観測記事が出て、月曜日に「いよいよ総理が決断か」みたいな記事が出て、火曜の朝に「専門家の諮問機関に諮った」という記事が出て、その日の夕方に出る、といったように手順を踏みながら出てきた。序奏が入念、ベートーヴェンの交響曲第7番並に。
●それで、緊急事態宣言が出ると何が変わるのかというと、あれこれ読んでも予測が付きづらい。荒っぽい外出制限や移動制限があるわけではなく、職種によって通勤が法的に制限されるわけでもない。東京都からは休業要請の対象が発表されず、10日発表に持ち越し。報道によれば休業要請の対象を広げたい東京都と経済活動への影響を避けたい国との間で考え方で溝があるという。都道府県別人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移を対数グラフで見ると、東京都の爆発的な増加に怯む。感染拡大を止めるためには、まずは社会全体で人と人の接触を8割減らす必要があるそう。直感的には相当に高いハードルだなと感じている。
April 8, 2020