●ベルリン・フィルが来シーズンのスケジュールとデジタル・コンサートホールでのライブ中継の予定を発表した。といっても、この世界的ウィルス禍のなかでは、なんだかリアリティが薄いような気がする……って、いやいや、ベルリン・フィルの開幕は8月29日だ。まだ時間はある。ウィルスとの戦いは何年も続くだろうけど、ロックアウトみたいな緊急事態はいつまでも続かない(続けられない)ので、社会活動の回復と感染拡大リスクのバランスをどこかで取ることになる。現在の状況に過剰適応してしまわないようにしなくては!
●で、ベルリン・フィルの来季だが、首席指揮者ペトレンコは大車輪の活躍だ。開幕はブラームスの交響曲第4番がメイン。ほかのプログラムではスーク「夏の物語」、シュトラウスの「英雄の生涯」、コルンゴルトの交響曲、マーラーの交響曲第9番など。オペラ成分も高めでラフマニノフの「フランチェスカ・ダ・リミニ」演奏会形式や、チャイコフスキーの「マゼッパ」演奏形式、ストラヴィンスキーのオペラ・オラトリオ「エディプス王」も。なかなか攻めたラインナップ。
●客演指揮者陣ではラハフ・シャニとスピノジがデビュー。ほかにハーディング、ヤノフスキ、ロト、ミンコフスキ、バレンボイム、ソヒエフ、ネルソンス、イヴァン・フィッシャー、ビシュコフ、ガッティ、ラニクルズ、ティーレマン、パーヴォ・ヤルヴィ、メータ、ミッコ・フランク、マルッキ、ラトル、ギルバート、ブロムシュテット。全体の傾向としてはロシア音楽、世紀末、オペラ/オラトリオあたりがキーワードか。ラトルはエルガーの「ゲロンティアスの夢」、マルッキがバルトーク「青ひげ公の城」演奏会形式を指揮。かなり大掛かりなプログラムが多くて、そこは少々気になるところではある。
April 22, 2020