●昨夜、東京アラートが発動された。もし半年前の自分がこの文言を目にしたら、即座に連想するのは第3新東京市に使途襲来が報じられる新世紀エヴァンゲリオンの世界。非常事態宣言が発令され、建築物は地下空間に収容され、射出口からエヴァンゲリオンが飛び出す。だが、現実の東京アラートを発動するのは碇ゲンドウではなく、小池百合子都知事であった。そういえば、コロナ・ウィルスの形って、なんだか使徒っぽい。
●で、その東京アラートの内容だが、「1日あたりの感染者20人以上」(1週間の平均)、「感染経路が不明な人の割合が50%以上」といった目安で発動され、警戒が呼びかけられる。具体的にはなにが起きるのかと思って都の防災サイトで確認したところ、一段と気を引き締めましょうという呼びかけのようだ。都のロードマップがステップ2にあることは変わりがなく、すでに美術館、図書館、劇場、体育館、スポーツジム、学校、商業施設など大半の施設の休業要請は緩和されている。
●数日前、久々に都心に出たが、朝の通勤時間帯のピークを避けたにもかかわらず、電車も駅も普通に混んでいた。7人掛けの椅子にはすべて7人座っていて、立っている人もいる。ホームで電車を待つ際も普通に並んでいて、だれも対人距離を気にしていない感じ、というかホームは狭いので人が多くなれば間隔を開けようがない。毎日通勤でどれだけ大勢の人が密集しているかを思うと、コンサートホールで密集を避ける効果はどれほどのものかと、つい考えてしまう。漠然とした気分の問題にするのではなく、定量的に考えるにはどういった方法があるだろうか。
●さて、後の記録のためにも、ときどき現状を確認しておこう。上のグラフ(画像だとつぶれるのでリンク先参照推奨)は各国の人口あたり新規感染者数(平滑化するために7日移動平均を見る)。ロックダウンを緩和した効果が出ているようで、直近ではアメリカやスウェーデン、フランスなど増加している国も多い。ドイツはほぼ横ばい。普通のグラフだとアジア・オセアニアは欧米に比べて桁違いに感染者数が少ないためゼロ近辺に貼り付いてしまう。そこで同じグラフを対数グラフで表現すると下のグラフになる。縦軸は1、10、100とひと目盛りにつき一桁増える。韓国、オーストラリア、日本ともにやはり直近では増加傾向が見える。といっても、いずれも100万人あたり1人未満のレベルではあるが。まさしく東京都の「ロードマップのイメージ」図の通りの道筋を歩んでいて、今がちょうど(3)「東京アラートの発動」にいると実感する。
June 3, 2020