●まったく週末にふさわしい話題ではないのだが、最近、あまりに感動したのでぜひ紹介したいツールがある。それはっ、ドドーーン! 「エクセル簿記/ExcelB」という会計用ソフトなのだ! これがあれば青色申告のための帳簿付けのストレスが80%減る(当社比)というすぐれモノ。えっ、一年のど真ん中で青色申告の話題など聞きたくない? うん、夏に税務の話は似合わない。でも確定申告シーズンが来てしまうと、「期日までに間に合わせなきゃ」と「でも帳簿なんかつけたくない」という気持ちがドロドロにミックスされて、昨年と同じやり方しかできないじゃないすか。でも今だったらやり方を変えられる(かもしれない)。
●これまではトゥーランドット級の冷たい氷の心で耐えながら、市販の会計ソフトに領収書や請求書の数字を打ち込んできた。でもその種の会計ソフトって、全般に昭和ライクな設計思想で、PC上で使用するほかのアプリケーションやサービスはどんどん進化しているのに会計ソフトだけ取り残されている感があったんすよね。で、何年も古いバージョンを使い続けていた会計ソフトがサポート外になったのを機に、一念発起してこの状況から脱却することに。最初に検討したのは、今流行中のクラウド型会計ソフト。よくできているみたいだけど、どうも自分が求めるものとは違っているっぽい。自分はクラウドより手元にぜんぶあって、仕組みが目に見えるものがいい。というか、そもそも青色申告の帳簿なんてExcelで管理できる程度のものなんだから、そんなに先進的じゃなくていい……いやむしろ、Excelでできるんじゃないの!? 確定申告の書類そのものは国税庁のサイトで作っているんだから、青色申告用の決算書さえ作れればいいんだし。
●ということに気づいて「エクセル簿記/ExcelB」にたどり着た。会計ソフトといっても、単なるExcelのシートであって、マクロも使われていないし、見た目はまったくそっけない。仕訳帳シートに数字や勘定科目を入れれば、決算書シートに自動的に数字が反映される。「借方」や「貸方」といった最低限の複式簿記の知識は必要なのだが、そのあたりは市販の会計ソフトだって大差ない。なにより操作性がいい。操作性っていうか、なにせExcelそのものなので。複数セルを選択してコピペしたりできて、実に快適。シンプルなのに細部まで練られている。Excelや無料互換ソフトのCalcなどがあれば使える。
●基本的な事柄は無料でできてしまうが、マニュアルを購入するとできることが少し増える。このマニュアルも親切。わずか2000円+税なので、もしマニュアルが必要なくても寄付のつもりで購入しようという気になる。さらば、市販の会計ソフト。白色の人には無用だけど、今後青色を検討するなら(そしてExcelかその互換ソフトになじんでいるなら)、選択肢に入るのでは。
June 19, 2020