July 10, 2020

新しい生活様式

●ようやく演奏会も少しずつ再開され、まもなくサッカーも観客入りで試合を開ける段階までこぎつけたが、昨日東京では過去最多となる224人の感染者が出た。数字のインパクトは大きい。ただ内訳としては新宿での「接待を伴う飲食店従業員」の集団検査があったこと、また緊急事態宣言の頃とは異なり若年層の感染者が多く、したがって重症者は少ないという。たしかに数字の上っ面だけを見ても、そういった質的な差はわからない。効率的に感染者をあぶりだしているから数字が増えるという面もあるのかもしれない。
●とはいえ、若者は若者だけの社会で生きているわけではないので、このまま行けばいずれは幅広い年齢層に広がりそうなもの。シンプルに数字の変遷がどうなっているのかも見たい。で、都内だけの新規感染者数を対数グラフで示した表はないのかなと検索して見つけたのがこちら。5月下旬に底を打った後、ほぼ直線的に増加している。対数グラフなので、ちゃんと(?)ねずみ算式に増えていることがわかる。
coronavirus-data-explorer20200710.png
●ついでに言えば、日本全国で見ても感染者数はけっこうな勢いで増えていて、おなじみのourworldindata.orgの上記グラフを見ると(国別7日移動平均の対数グラフ。画像だとつぶれるのでリンク先推奨)、新規感染者数に関して言えばアジア・オセアニアとヨーロッパの差はずいぶん縮まっている。オーストラリアなどはドイツとイタリアを上回ってしまった。日本と韓国はそこまでではないにせよ、6月に入ってから勢いが増して、ドイツやイタリアと同じ桁に乗っている。まあ、お互い同程度になってしまえば、ヨーロッパと日本で人の往来ができるようになる、とも言えるのか……。
●しかし、仮にもう一度緊急事態宣言と言われても、とても歓迎できる気分にはなれない。音楽業界はもちろんのこと、映画業界も観光業も飲食業もその他いろんな業界で働く多くの人々が何か月も収入を失って耐えてきた。ここまではなんとか乗り切れたとしても、すぐにもう一度自粛しろなどと言われたらたまったものではない。最後の手段としてなんらかの外出規制が必要なのは承知しているが、ある程度の水準まではウィルスと共存しながら日々の暮らしを営む「新しい生活様式」を実践していくしかないのだろう。ふたたび感染者数が増えてきたことで、「元に戻る」のではなく、「新しい生活様式」が続くのだということを実感している。

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