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July 22, 2020

ナントの大聖堂と音楽祭の記憶

●フランスのナントの大聖堂で火災があった。400年の歴史を持つパイプオルガンは全焼。報道によれば3か所から出火しているため放火の疑いがあるという。この大聖堂には以前、ナントのラ・フォル・ジュルネを取材した際に訪れたことがあるはず。そう思ってPC内の写真を探すが見つからない。おかしいな、少なくとも最初にナントを訪れた際には、中に入って写真を撮ったが……はっ。そうだ、その時の写真は紙焼きで見た記憶がある。ということは、まだデジタルではなくフィルムで撮っていたのか? 道理で写真が見つからないわけだ。
ナントのラ・フォル・ジュルネ 2010年
●写真を探すついでに、ナントの音楽祭の光景を眺める。至るどころ密だらけで圧倒される。ひたすら密。そもそもお祭りはどこの世界でも密に決まっている。こういったお祭りが来年には可能になるかもしれないし、十年後でも不可能なのかもしれない、というのが現時点での自分の認識。ウィルス自体が早期に弱毒化してくれるかもしれないし、有効で安全なワクチンは結局見つからないかもしれない。決定的な治療薬が見つかるかもしれないし、第2、第3の新型ウィルスが蔓延するかもしれない。予測や仮説はふんだんにあるが、答えを知っている人はいないはず。
coronavirus-data-explorer20200721.png
●恒例、ourworldindata.orgの国別新規感染者数の7日間移動平均の対数グラフ。現状では日本もイタリアもドイツもオーストラリアも似たり寄ったり。一時期は桁違いだったのに、ロックダウンを解除して時間が経つと、先進国の間では似たような水準になってくるのかも(ただしアメリカはまったく別の道を進んでいる)。同程度の水準であれば、相互に入国制限の解除ができるのではないかと期待してしまう。日欧間の音楽家の往来がそろそろ可能になってくれないものだろうか。なお、東京都だけの各種データはこちら。ここに対数グラフはないのだが、同じデータを用いて新規感染者数を縦軸対数でプロットすると5月末からほぼ直線的に(つまりねずみ算式に)増えている(参照)。現象に一貫性がある。