October 1, 2020

鈴木優人プロデュース BCJオペラシリーズ Vol.2 ヘンデル「リナルド」リモート記者会見

BCJ リナルド記者会見
●29日昼、鈴木優人プロデュース BCJオペラシリーズ Vol.2 ヘンデル「リナルド」リモート記者会見に出席。どこにも出かけずにZOOMで記者会見に参加できるというありがたさ。登壇者は公演プロデューサーであり指揮とチェンバロを務める鈴木優人、リナルド役の藤木大地、アルミレーナ役の森麻季、演出の砂川真緒、アルガンテ役の大西宇宙(リモート参加)の各氏。今回の公演は10月31日(土)の神奈川県立音楽堂と11月3日(火・祝)の東京オペラシティの2公演。セミステージ方式。当初は座席の間隔を空けてチケットを発売していたが、イベント人数規制の緩和を受けて、座席が追加販売されている。海外組のキャストが入国できないため、すべて国内組に変更。カウンターテナーの藤木大地さんは当初発表から役を変えて主役に起用されることになった。優人さんは以前、藤木さんと「死ぬまでにヘンデルのオペラを全部やろうね」と話し合った間柄なのだとか。
●演出の砂川さんによれば「日本人キャストに変更されたことを受けて、当初とは違った発想で演出している。リナルドは現代に生きる少年という設定」なのだとか。リナルドの衣装デザインが公開されていたが、赤い「R」が胸にプリントされた白Tシャツを着るメガネ男子という設定(ポケモンのロケット団みたいだと思った!)。今回は感染症対策のため安全を最重視した演出になるので、さまざまな制約はあるが、それでも小道具、照明、衣装などで工夫を凝らすという。
●藤木大地さんは優人さんと20年来のつきあいで、10年前にカウンターテナーになるときに、優人さんに相談したそう。「代役でリナルドを歌えるからラッキーなどとは言ってられなくて、逆の立場にある人たち、つまり今回来日できなかった人たちの気持ちを背負いながら、責任を果たさなければいけない」とおっしゃっていたのが印象的。森麻季さんはすでにエディンバラ音楽祭でBCJと「リナルド」を共演しており、また、自分にとってもとても大切な作品と語っていた。
●優人さん「オペラは歌舞伎と同じように、芸術であり伝統芸能でもあるがエンタテインメントである。バロック・オペラというと博物館に展示されているもののように思われがちだが、やはりオペラであって、芸術とエンタテインメントの融合である。モーツァルトはオペラだけど、ヘンデルはバロック・オペラだ、といったようなレッテル貼りはやめませんか。どちらもオペラ、両者の距離はそんなに遠くない。お客さんが予習なしでも楽しめる舞台になる」
●ZOOM記者会見、会議とはまた違った慣れが必要かなと思った。プレス側はデフォルトでカメラとマイクがオフ設定。質疑応答の作法が意外と難しいかも。

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