●先日のカメルーン戦に続いて、ユトレヒトでの親善試合第2弾はコートジボワール戦。今回も相手はほぼ欧州組(一部クウェートなどの選手も)で、中立地での無観客試合。ウイルス禍で当面ニッポンでのホームゲームは難しそうだが、こうして万全のコンディションの強豪相手に戦えるのは収穫。多少ばらつきはあるとはいえ、コートジボワールは個の力で上回るタレント軍団。その相手に中立地で戦って五分五分の試合展開になることにニッポン代表の成長を感じずにはいられない。
●ニッポンのメンバーはカメルーン戦から7人を入れ替え。Bチームみたいな感じだが、試合のクォリティは高かったと思う。GK:シュミット・ダニエル-DF:中山雄太、冨安、吉田、室屋(→植田)-MF:遠藤航、柴崎-伊東(→堂安)、鎌田、久保建英(→南野)-FW:鈴木武蔵(→原口)。布陣は4バックでスタート。オランダ・ズウォレの中山雄太は本来ボランチやセンターバックの選手だが、左サイドバックで起用。長友がいないと左サイドバックの手薄感を感じずにはいられないが(ニッポン代表はずっとそう)、一方でこういうユーティリティタイプは4バックと3バックを併用するチームには貴重。中盤は伊東が右サイド固定なので、久保が左サイドで先発。久保の技術は驚異的だが、見せ場はもうひとつ作れず。むしろ伊東のサイドからの攻撃が目立った。伊東はずっと精度が課題だと思っていたが、欧州に渡ってから守備が鍛えられている。原口もそうだったけど、ここのポジションはうまい選手がたくさんいる分、守りで戦えるようになると出番が増える。トップ下の鎌田、トップの鈴木武蔵、ともにこのレベルの相手でも持ち味が出ていて頼もしい。トップは大迫だとポストプレイが前提だが、鈴木武蔵の場合は前を向いて屈強なディフェンスと競り合える。
●コートジボワールのプレスが厳しい。相手を背負った状態でボールをしっかり足元に収めていると思っても、ガツガツと足を出してくる。後半開始からコートジボワールの攻勢が続いて厳しい展開になったが、ここを耐えると、終盤はニッポンの好機が増えた。アディショナルタイムに入って、右サイドからのフリーキックで、柴崎のクロスに対して、入ったばかりの植田がファーで頭で合わせてゴール。柴崎が蹴る瞬間に、植田は相手ディフェンスの背後に消えてフリーになるというきれいな形。1対0で勝利は上出来。森保監督は律義に選手みんなにチャンスを配分する印象だが、三好康児には出番が訪れず。
●次の代表戦は11月にオーストリアでメキシコ戦なのだとか。欧州でしか代表戦を組めないという制限がある一方、かえって強力な相手との試合が実現している気がする。
October 14, 2020