December 7, 2020

電車オペラ

電車の座席
●先日、新国立劇場で藤倉大「アルマゲドンの夢」を観て、「あ、これは電車オペラでもあるな」と思った。電車の場面から始まって、電車で終わる。こういった通勤電車型の窓を背にして座るロングシートの車内をわりと最近、なにかの舞台で観たけど、なんだったっけな……と気になっていたのだが、思い出した、佐渡裕指揮兵庫県立芸術文化センターのバーンスタイン「オン・ザ・タウン」だ。「オン・ザ・タウン」にもニューヨークの地下鉄の場面が出てくるのだった。しかも、両者は戦争オペラであるところも共通している。「オン・ザ・タウン」は水平たちに与えられた24時間の休暇を描いた作品で、戦争の場面は一切出てこないが、背景にあるのは戦時の不安であり、それゆえに登場人物は刹那的な今を生きている。その点で同じバーンスタインの交響曲第2番「不安の時代」とよく似たテイストを持っている。
●ほかに電車シーンが出てくるオペラってあるんだろうか。観たことないけど、アンドレ・プレヴィンのオペラ「欲望という名の電車」に電車シーンはある? 録音で聴くと冒頭シーンはいかにも電車っぽい音楽なのだが。

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