December 8, 2020

続・パヴァロッティのスパゲッティとマコーミックのガーリックパウダー

トマト缶
●先日の「パヴァロッティのスパゲッティとマコーミックのガーリックパウダー」の続き。「パヴァロッティとぼく」(エドウィン・ティノコ著/アルテスパブリッシング)に出てくるイタリア料理のレシピが家庭画報.comで再現されている。きちんとしたレシピを知りたい人はそちらを見ると吉。
●一方、ワタシが感銘を受けたのは、先日も書いたように、パヴァロッティは手のかからない料理を作って、最高においしいと言っている点。本物のニンニクではなく、マコーミックのガーリックパウダーを使う。一般的な日本のレシピだったら、「ニンニクは安い中国産よりも青森産がいい」みたいなことを言いかねないところだが、パヴァロッティはパウダーで済ませているんである。玉ねぎも使わず、マコーミックのオニオンパウダーを使う。さらにトマトはトマト缶どころか出来合いのトマトソースすら許容する。フレッシュな材料を一切使わず(パルミジャーノ・レッジャーノを別とすれば)、ストックだけでトマトソースのスパゲッティができてしまうお手軽感。これって日本の家庭料理で言うとなんだろう……インスタントラーメン!? そう気づいたら、パヴァロッティがイタリア版「いつもラーメンを食べてる小池さん」のように思えてきた。ずるずるっ!(と音は立てないだろうけど)
●そして、ワタシはといえば、結局マコーミックのガーリックパウダーは買ってない。でもパヴァロッティ本には大いに触発され、トマトソースに砂糖を入れることを覚えた。実はあの本を読んで以来、ワタシは村上春樹の小説の登場人物並みにスパゲッティを茹でており、すでに5、6回はトマトソースのスパゲッティを作った。ニンニクはマコーミックのガーリックパウダーではなく「みじん切りガーリック」で手抜きする。これなら近所のスーパーで手に入る。マコーミック上等。玉ねぎは省略。たっぷりのオリーブオイルでガーリックと唐辛子を弱火で加熱し、ベーコンやホウレンソウ、ぶなしめじなど、適当に冷蔵庫にあるものを炒めてから、トマト缶(カットトマト)を放り込む。唐辛子は最初から輪切りになっている袋で済ませるし(あるいは省略する)、ホウレンソウは冷凍でもいい。これはインスタントラーメンなのだ。塩と砂糖を少々入れる。以前はここからしっかり1/2程度になるまで煮詰めていたのだが、麺の茹で時間程度で済ませてしまう。麺は海水のしょっぱさのお湯で茹でる。茹で上がったらお湯を切って、ソースと絡めてできあがり。あとはパヴァロッティになった気分で「こんなに簡単で、こんなにうまい食い物はない」と思いながら食べるだけだ。事実、最高にうまい。

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